火曜日の昼。
俺は庭の垣根から隣の家の居間を見ていた。
広い部屋の真ん中には焦げ茶色の座卓があり、その前にはセーラー服姿の、俺よりも年上の女の子が正座していた。
女の子は、何度か見たことがある。
由美とゆう名で、確か今年、高校に上がったはずだ。
由美の家について、日曜の夜の大人達の雑談で「わるいことがおきた」と聞いていた。
皆が「これから大変だろう」と話し合っていた。
そのせいだろうか、由美は正座した膝の上に置いた手を見つめながら沈んだ表情をしている。
奥の襖が開き、男が入ってきた。
由美は男を見上げたが、すぐに目を伏せた。
座卓の反対側に男が座る。
顔はニヤニヤと緩み、目は由美の体を舐めるように見ている。
胡座をかいた座り姿さえ、横柄で勝ち誇った余裕を感じさせた。
男が何かを話している。
由美が頷く。
男が笑い、由美が肩を震わせる。
話すのはいつも男だけで、由美はその度に頷いたり、頭を振ったりしている。
涙は出ていないが、泣き顔のような表情も見せる。
「悪い子ね」
突然話しかけられて、心臓が飛び出そうになる。
「どこでも覗いて・・・ホント悪い子」
視線を向けた先には、昨日の女が立っていた。
化粧気の感じない、けれどテレビの中の女優を思い出させる美しい顔。
気の強そうな目と唇にイタズラっぽい表情を浮かべながら、固まったままの俺の後ろに立つ。
首筋に乳房を押し付けられる。
さらに押されて俺の首が前を向く。
まだ男に責められている由美と、ニヤニヤと笑う男が見えた。
「あの子、知ってるの?」
女は俺の体を撫でながら言った。
俺が頷くと、「そう、由美ちゃん知ってるんだ」と言いながら俺の腕を撫で、太ももを摩った。
「由美ちゃんね、、、処女らしいわよ」
女は指先を首筋に這わせ、反対の手のひらで腰を撫でる。
「でもね、、、家が大変になっちゃって、、、」
女の指が背中から尻に下りていく。
「今から、あのオジさんに犯されちゃうの」
ゾクっとするような声だった。
この女は、由美の不幸を心から喜んでいると感じた。
それは嫉妬か、優越か、まるで悪魔のような嬉しそうな声だった。
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