47.鬼畜禿げ親父からの途中報告
レストルームで鏡を見ている、正確には鏡に映った自分の背中を見てうっとりしている里美を、死角の物陰からユウジが動画撮りしていました。
そして直ぐに、用意されたサーバーに動画ファイルをアップロード。
そのファイルアップの情報は、かの国の私と、日本の関係者数人にメールで知らされ、直ぐにシェアされます。
里美の白い肌に映える図柄は、師匠から知らされていた以上の美しい出来でした。(あの洟垂れユウジも腕を上げたものです。)
私が忙しく大陸を駆けずり回っていた、この1ヶ月というもの、あちこちで撮られた映像での報告から、
里美が順調に肉奴隷に堕ちていっている事は判っていましたが、ここまで順調に運ぶとは、正直予想外でした。さすが師匠です。
温泉地での一件は、こちらで失脚させられた幹部の報復に手を貸すと同時に、相手陣営の中堅官吏にパイプを通す事に成功したので、多少の経費は全く問題ありませんでしたが、
里美に経済的な枷を嵌めたのは、少々やり過ぎな気もしています。(この事は、後日、師匠に確認しなくては。)
ただ、小指を失った田舎ヤクザの女衒と、今頃何処か東南アジアの売春窟に薬漬けで沈んでいる筈の情婦達には、少々気の毒な事になりました。
しかし、何事もやり過ぎは良くないと云う事です。あの漁師達も、帰国後は極北の強制収容所へ直行なので、先ず生きては出て来れないでしょう。
彼らに関しては、私の大事な里美を、肉体的に一生残る傷を付けた報いを受けただけなので、何の感傷もありませんが。
私はそこまで考えると、クラウド上のファイルを眺め返してみました。
一番画質が悪いのは、新居でナイトスコープを使って隠し撮りされた画像ですが、撮影機材は私が貸与した高グレードの物なので、
これはH氏の弟君のセッティングの悪さの問題です。(次回会った時には、直接技術指導することにしましょう。)
一番良く撮れているのは、先生の秘書が手持ちで撮影したものと、邸宅のセキュリティカメラのマルチ映像ですが、
残念ながら音声が入っていない物が多く、いま一つ臨場感に欠けます。
やはり見ていて最も興奮するのは、鬼友達が輪姦するところを私自らが撮影した映像でした。
他人のレポート映像では、伝わってこない緊迫感が堪りません。
私は、システムを落とすと、氷とバーボンの入ったグラスを片手に、重度の大気汚染で夜霧のように霞んだ夜景の街を見下ろしました。
思案していたのは、どうやって鬼友と、マスター達を使って、里美を更に性的高位に解放してやるかということでした。
やはり、閉じられた環境だけでは、どうしても限界が訪れるでしょうから。
48.両親との涙の決別(再び里美の目線に戻ります。)
刺青の完成した翌日、久し振りに実家に戻りました。
ひと月弱も帰宅しなかった娘を、両親は心配そうに、しかし気を使いながら労わってくれました。
不在の間、何回かご主人さまや事務所の女性が、両親に連絡をとっていた様で、
私は仕事で僻地へ長期出張していたことになっていました。
父はあまり変化に気づかなかったようですが、母は私の肉体的な変化に直ぐに気付きました。
「お前、身体をどこか悪くしたんじゃないのかい?」
「お母さん、少し疲れただけよ。私、もうそんなに若くないんだから。」
「彼も心配していたみたいだよ。」
「大丈夫。近々、あちらに私から出かけて行くことにしたから。」
私は、この身体を早く旦那様に見てもらいたくて、ご主人さまにお願いして、翌週の飛行機チケットを確保していました。
その晩、また不思議な夢を観ました。また旦那様の出てくる夢でした。
いえ、観た気がすると言うのが正しく、内容は朝になるとすっかり忘れていました。
ただ、この半月、誰にも抱かれず、その前に私を襲った暴力の嵐が、昨夜の夢と共に、何処かに去ってしまった気持ちがしていました。
リビングでは、両親が朝食を採って、仕事に行く準備をしていました。
「おはよう、お父さん、お母さん。私、この家を出る事にしたわ。」
慌てた様な、それでいて何処か覚悟していた様な両親の態度に、私の心は決まりました。
「あの人と、一緒に暮らしたいの。今まで、育てて頂いて、本当にありがとうございました。」
母は言うに及ばず、父も涙を浮かべています。
その日、私は身の回りのものを纏めて、新居の鍵をポケットに、パスポートをバッグに。そしてスーツケース2つを持って家を出ました。
この家には、二度と帰らない。もう普通の日常には戻らないと心に決めて。
※元投稿はこちら >>