19.カモメ飛ぶ港町に宴は続く
声を掛けてきた若い男は、両乳首と外鼻にピアスを付けている今風の若者でした。
里美にとって、初めての年下の男です。
「来て。」
里美の答えに、私はそっと席を立ち、人を掻き分ける様にカウンターに戻りました。
既に、ソファ席は、行為に没頭する男女に占領され、
椅子が足りず、ほとんどの客が立っている状態で、カウンターには人が鈴生りでした。
「初心者だったわよね、奥さん。」
オネエのマスターがハイボールを差し出しながら、私に言いました。
「奥さんの周りだけ、とってもエロいんですけど。」
言われる通り、人の密度が、里美たちの周囲だけ濃くなっています。
私は、初の他人ペニスや3Pを経験させ、ほぼ期待通りの展開なのに、
期待を裏切られた気持ちがして、内心は不機嫌でした。
「いい店ですね。」
「鬼友くんにも言ったけど、もうすぐ閉めるのよ。最近、色々うるさくなったから。」
「音楽がですか?」いつの間にか、BGMが大きくなっていました。
「バカね。警察がよ~。」マスターもビールを煽りながらBGMに負けないほど大きく笑いました。
「通わせてもらおうと思ったので、残念です。」
「また、すぐに他の店が出来るわよ。」
マスターが意味深に笑います。
「オオ!」
背後で、どよめきがしました。
振り返ると、里美が5人の男を同時に相手しているのが見えます。
騎乗位で、膣とアナル、前後それぞれにペニスを受け入れながら口でフェラしつつ、
両手ではそれぞれ、別の男のベニスをさすっています。
「いきなり6Pかよ。」思わずつぶやいていました。
よく見ると背後から突き入れているのは、ボーイッシュな短髪微乳の女性客で、
入れているのはディルドです。
周囲の女性客も、次々とプレイに参加して、まるで何か縁起物でも触るように手を伸ばして行きます。
「彼女さん、飛んじゃってるわね。」
後ろから抱き着いて、私の股間に手を回してきたのは、さっき交わった女性客でした。
「あー、大きくなってる。興奮してる?するよね~。」
女性は、私の耳元にキスしながら、ささやきました。
「でも、今夜はもう、して ア ゲ ナ イ 。」
私のペニスを2、3コスリすると、最初に里美とSEXした太った男にもたれ掛るように離れて行きました。
「あのご夫婦とも、もう直ぐお別れね。寂しいわ。」
つぶやくマスターは、本当にさびしそうな表情をしていました。
・・・結局、この日は明け方まで、サバト(西洋中世の魔女達の性宴)の様なパーティーは続き、
恐らく10人を超える男たちと交わった里美は、性の奴隷としての階段を、また一つ昇ったのでした。
夜明けの始発電車の中で、店でのことは、一夜限りの事と、里美に伝えると、
「夢だと思って、忘れてしまいたいよ。」と、顔を隠していました。
すこし泣いているのかもしれません。
「そうだね。夢だったのかもしれないね。」
しかし、夢で無い証拠に、私は、しっかりとマスターとあの、淫乱なご夫婦の連絡先をゲットしていましたが。
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