玄関の外には大きなリムジンが停まっていた。タキシードの格好した運転手がリムジンの扉をあけると玲奈が乗り込み、
「あなた達も乗りなさい。」
と中から声をかける。
亜希子とひろみは言われるまま乗り込む。
ひろみにも玲奈っていう人はとても金持ちの家の娘…一人娘でわがままに育ったんだろうなというのは伝わった。
このまま学校に向かうのかと思いきやそうではなかった。
玲奈は、亜希子とひろみを途中の駅で降ろした。
「ここからは電車で行きなさい。学校でまた会いましょう。」
駅に向かい歩くと、みんなじっくり姉の亜希子の姿を凝視する。
ホームにあがり列に並ぶとその後ろが露骨に列をなしていく。
亜希子には何も聞けず亜希子も何も言わない無言の時間。
姉はいつもこんな事をさせられていたのかと思うと涙が出た…。
電車がホームに入ってきて、扉が開くと電車の中に入っていく。
入った途端に多くの手が亜希子にもひろみにも延びてくる。
姉の亜希子は目をつむり、ひろみの手を強く握りしめて耐えている。
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