耕三の体に添えている裕子の手が太ももをグッと握り、裕子の無言の、精一杯の抵抗を伝えるが、耕三はそれを無視し晴樹は気付かない
耕三は晴樹が惚けた顔でゆらゆらと裕子に近付いて行くのを眺め笑っている
(そうだ・・・いけ・・・やれ!・・・俺の前で自慢の妻を犯せ!・・・罵り、罵倒しろ!)
裕子の手は震えるほど強く耕三の太ももを掴んでいる
その心は延々と否定の言葉を裕子に囁いている
旦那はダメ
旦那てはムリ
旦那はイヤ
旦那ではムリ
私は旦那だけはムリ
私が一番好きなのは・・・
旦那はイヤ
旦那ではムリ
私が一番好きな形は・・・
裕子の心に混入した異物
その違和感は、裕子本人も気付いていない
耕三の激しい、まるで暴力のような濁った欲望とはまた異質な、ねっとりと粘りからみつく粘液のような・・・けれど純粋な悪意のような直線的な欲望
ひとつに突き詰めたソレは、たった数時間だけの行為だったにも関わらず、その先を裕子の心に突き立てていた
晴樹はU子の腰を掴んで初めて、自分がズボンのチェックすら下ろしていないことに気付く
慌ただしくカチャカチャと音をたてベルトを外しズボンを脱ぐ
足首に絡みつく自分の下着を、ズボンと一緒に蹴り上げ・・・そして固まる
(まったく・・・なんてバカだ・・・)
忌々しそうに、残念そうに顔をしかめる耕三の視線の先には、うなだれて自分の股間を見る晴樹の視線の先には、すでに射精し情けなく萎びている晴樹のチンポがあった
「まぁ・・・仕方ないですな」
晴樹は自分の泊まるホテルに戻ったあとも呆然としている
他人の前ではプロでもそうなる時があるらしいからと慰められたのも恥ずかしい
それ以来一人になっても、何をしても反応しない自分のチンポに絶望しながら一睡もできず朝を迎えた
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