その2
その一件以来、私は二度と、父にお尻を叩かれたくない一心で、今まで以上に努めて良い子に振る舞った。
勉強も頑張り、成績は学年でトップになった。学校が終わると一目散に家に帰り、母の手伝いをした。
この国雄対策は兄を見てマネたものだった。
5つ上の兄も数年前までは、事あるごとに父から暴力を振るわれていたが、中学でトップの成績を取り、有名進学校に入学した頃には
父は兄に暴力を振るう事をやめた。
父に弱みを見せてはならない。完璧な娘になるしかない。それが私に出来る唯一の抵抗だった。
その甲斐あって、父から虐待を受ける回数は以前よりは減ったものの、それでも、父の機嫌次第では、難癖をつけられて叩かれる事があった。
「なんだそのはしの持ち方は。」「なんだその顔は?もっと美味そうに食えないのか?」
「風呂を使ったなら、すぐに掃除をしろ。だらしない。」
そんな事で私は頬を張られ、尻を叩かれた。
我が家では父が不意に発した言葉は、そのまま次の日から我が家のルールになる。
「なぜ、俺が帰って来る時間が分かっているのに、風呂を沸かしておかないんだ。」
そう罵られた母は次の日から、毎日父の帰宅に合わせて風呂を沸かすようになった。
その他にも、父より先におかずに手をつけてはいけない。父より先にお風呂に入ってはいけない。
朝のお風呂の使用は禁止。テレビのリモコンを触っていいのは父だけ。
子供たちは21時に消灯。勉強で夜更かしをしたい場合は父に許可を取る。
これらの「国雄ルール」は父がルール化しろと言ったわけではなく、過去に父の機嫌を損ねた事柄を二度繰り返すまいとする、家族の努力が作ったものだった。
まさに高柳家は国雄の王国そのものだった。
そんな暮らしが続く中、私が小学校の卒業を間近に控えた頃、新たな「国雄ルール」が出来た。
きっかけは私の油断が招いたものだった。
当時バトミントン部に所属していた私は、その日練習から帰宅すると、どうしてもお風呂に入りたくなった。
疲れと汗を今すぐ洗い流したい。思春期の女の子には、それは切実な願いだった。
時刻はまだ、夕方の4時半で父が帰って来るまでは時間がある。母も兄もまだ帰宅していない。
私は「国雄ルール」を破り、父より先にお風呂に入ることにした。
私はお風呂から上がると、すぐにお湯を入れなおし、掃除をし、水滴も残さず拭き取った。
これでバレないだろうと思った。かりにバレても掃除もしっかりしてある。お仕置きをされる事はないだろうと思った。
だが、その考えが甘かった事をすぐに身を持って知る事になった。
午後6時半。公務員をしている父はいつもこの時間に帰宅する。
帰宅した父を母が出迎える。父はカバンを母に渡すと、すぐに風呂に直行する。帰宅してすぐにお風呂に入るのが父の日課になっていた。
父は母を風呂場に呼びつけ、母に服を脱がさせてもらい、風呂に入る。
大丈夫。バレたりしない。自分にそう言い聞かせた時だった。
湯船に浸かった音とほぼ、同時に父が怒鳴り声をあげた。
「お前ら、ちょっと来い!」
母と私は急いで風呂場に向かった。兄はまだ帰宅していなかった。
「風呂を使ったな?愛理、お前か?」
なぜバレたのだろう。。一瞬にして恐怖が全身を包んだ。
「うん。。部活で汗いっぱいかいて汚かったから。。」
私は震える声で、出来るかぎりの弁明をするしかなかった。私は悪い事はしていない。お願い許して。心の中で神様に祈った。
「そうか。俺より先に風呂に入るなんて随分と偉くなったじゃないか。なあ、愛理。
成績がトップになると、そこまで偉くなれちまうのか。いや。大したもんだ。」
父は湯船の中でふんぞり返りながら、震える私を見つめ、下卑た笑みを浮かべている。
「佐和子、お前はもう行っていい。早く、晩飯を作ってくれ。」
父は母を追い払い湯船からあがり、全裸のまま私に向かって来ると、私に服を脱ぐように命じた。
「えっ?」
「掃除をしろと言ってるんだ。一から風呂掃除をやり直せ。」
殴られると思っていた私はその言葉を聞いて意外に思った。
しかし、すぐに別の恐怖が頭をよぎった。父の股間の膨らみを見た時の事が頭をよぎる。
父の前に全裸を晒すのはイヤだった。怖かった。だが、逆らう事など出来るはずもない。
私はおずおずと服を脱ぐと風呂の掃除を始めた。父は湯船に戻り、そんな私を観察して満足そうな表情を浮かべている。
私は一通り掃除を済ませると湯船の中の父に声をかけた。
「お父さん、お掃除終わりました。」
恐る恐る父の顔を覗くと父は意外にも上機嫌だった。
「おう!丁寧に掃除したな。ご苦労さん。」
父はそう言うとおもむろに湯船から立ち上がった。
すると、床にしゃがみ込んでいた私の目の前に、見てはいけない、股間の膨らみの正体が現れた。
男性のおちんちんを見るのは初めてではなかったが、私が見た事があるそれは、男性の股間にぶら下がっている柔らかそうな物というイメージだった。
だが今、眼前に晒されている父のモノはソレとはあまりにも異なる形状と性質をしている。ぶら下げっているはずのモノは天井を向き、ピクピクと生き物のように蠢いている。
柔らかさはどこに消えてしまったのか、父のソレは腕の筋肉やふくらはぎのように筋張っていて硬そうだった。
私が驚きのあまり、ソレをまじまじと見つめていると、その生き物はさらにビクンビクンと脈を打ちながら動きはじめた。
「愛理、俺の身体も洗ってくれ。」
「う、うん。」
私はスポンジに石鹸を擦りつけて泡立て始めた。
「愛理。スポンジなんて使うな。お前の手で洗うんだ。」
「うん。」
私は両手で、父の身体に石鹸を塗っていく。背中、腕、胸、首、お腹、
ゆっくり両手で優しく擦っていく。
父の身体は恐ろしいほどに鍛えられている。背中は背筋で盛り上がり、腕は太く、腹筋は見事に6つに割れていた。
役所勤めの公務員にこんな筋肉が必要なはずはない。
父はナルシストだった。美しい自分を何よりも愛している人なのだ。顔立ちも整っていて、身長も178cmある。短く刈られた髪型は清潔感があり、
友達のお母さんに、愛理ちゃんのお父さん素敵ね。と何度も言われた事がある。
「愛理。お前は俺の自慢の娘だ。勉強は出来るし、良い子だし、何よりお前はお母さんに似て美しい。」
私は、親が12歳の子に向かって、「美しい」という言葉を使うのは普通の事ではない気がして、恐ろしかった。
「愛理。下半身もお前のそのカワイイ両手でキレイにするんだ。」
私は、ひざまずき、上半身と同じように父のお尻や脚に石鹸を塗っていった。
私が父に触れる度に股間の生き物はビクンと跳ね上がる。
父は途端に荒い息使いになっていった。
「愛理。男はどこからオシッコが出るか分かるか?」
「う、うん。」
「よし。オシッコが出るところは一番汚い場所だ。丁寧に洗うんだ。」
「うん。」
私は泡だらけの両手で蠢く棒をそっと握り、擦った。
父の息使いはさらに荒くなり、時より声を上げた。
「そうだ。。愛理。。もっと、丁寧に洗え。うっ!はあぁ。。いいぞ。愛理。上手だ。。」
その日から、「父のお背中流しは愛理の仕事。」という「国雄ルール」が新たに我が家に加わった。
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