優理子のスマートフォンがメール着信を告げた。
恵理子からのものだった。
本文には『助けてください』とだけ書かれている。
動画が添付されており、ファイルを開いた優理子は思わず目を背けた。
全裸の恵理子が縄で縛られているのだ。
腕を後手に縛られ、両脚をM字に固定された姿を俯瞰した後、縄が食い込みギリギリと
絞り上げられた乳房、そして隠す術もなく開いた股間のクローズアップ画面が続く。
さらに頭を押さえ付けられた恵理子の口には巨大な肉棒を咥えさせられている。
優理子はその動画が坂本たちに撮影されたものだと直感した。
恵理子が彼らのイジメの標的になっているのは疑うべくもない。
(許せない!)
同級生をここまで辱めて良い訳がない。
正義感の強い優理子は激しく憤り、肩を震わせる。
優理子には垣間見える動画の背景に見覚えがあった。
剣道部の道場だった。
さらに動画には撮影日時のデータが映っている。
9:40PM…たった今撮影されたものだ。
優理子は昨日、一度は恵理子を不良グループから解放しながら、手放してしまった
ことに自責の念を感じた。
遠慮などせず、強引にでも恵理子を自分の下に引き止めておくべきだった。
さらに言えば小谷先生の出勤を待つことなどせず、今日彼らを告発すべきだったのだ。
自分の行動が一日遅れたばかりに恵理子が男たちに蹂躙されている。
恵理子が自由を奪われているのなら、優理子に救いを求めるメールも、本人ではなく
不良たちが打ったものかも知れない。
もしそうだったら完全に優理子に対する挑戦状だ。
場所も学校の剣道場とは完全に優理子を舐め切っている。
(深沢さん、待ってて…今助けに行くから!)
校長や室井先生に連絡を取るべきとも思ったが、こんな破廉恥な映像をいくら教師とは
言え、異性の目に触れさせる訳にはいかない。
多感な少女の心に一生癒えない傷を残すことになる。
まず先に恵理子を助けて、映像を取り戻すのが先決だ。
優理子は家を飛び出し、タクシーで光教学院に向かった。
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