剣道の達人で涼やかな美貌の女教師は、彼女が人妻でまだ新任2日目だと言うのに、
生徒たちの憧憬と尊敬を一気に集めた。
小顔で色白の顔立ちに長い黒髪はあまりにも凛々しく、切れ長の瞳と引き締まった唇は
いかにも意思の強さを思わせる。
さりとて威圧感を与える訳でなく、しなやかな物腰と時折浮かべる笑顔は優美で清廉な
品格を滲ませて、自然と周りの者の心を取り込んで行くのだ。
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2年D組では優理子の評判でもちきりだった。
一人の生徒が過去の剣道大会の活躍をネットで集めたものをノートパソコンで流している
のを生徒たちが寄り集まって眺めているのだ。
いずれも素早い動きで相手を圧倒し、数々の試合を制した場面に続き、インタビューを
受ける優理子の清々しい美貌が纏められている。
『天才美少女剣士、全国制覇!』と題された動画はまだあどけない高校生自分の優理子が
こぼれんばかりの笑顔を向けている。
『白ユリ剣士、大学選手権4連覇!!』は大学4年生の時だ。
凛とした面持ちには風格さえ漂い、美しく成長した美貌は現在の優理子と変わらない。
旧姓の白木と優理子を縮めて『白ユリ』と愛称を付けられていたらしい。
社会人になって引退するまでの大会も、試合よりもむしろ面を取り、その美貌を表に出した
インタビュー場面に重きを置いた構成が多い。
「八木先生って剣道界ではかなり有名だったらしいぜ。何せアイドル顔負けのルックスに
この腕前だろう…剣道に関係ないファンも多かったらしい。」
動画を編集して来た生徒が自分のことのように鼻高々に解説する。
生徒たちも新しい担任の華々しい経歴に胸を躍らせる。
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同じ頃、生物準備室では武山先生が同じ動画をネット検索して眺めている。
「どこかで見た記憶があったが…苗字が変わっていたから分らなかったが、あの時の
『白ユリ』ちゃんだったか…」
稀代の女好きの武山先生は優理子の現役時代を知っていた。
もちろん剣道には何の関係もなかったが、一時マスコミが剣道界のアイドルとして
報じたこともあって、その可憐で凛々しい美貌に劣情を抱いたことがある。
「クソ…いい気になりやがって…あの暴力教師にやられたところがまだ痛むぜ。
ほれ、寺村…ちゃんと湿布を貼り替えてくれよ。」
武山は一昨日優理子にセクハラを試みて、逆に投げ飛ばされしたたか腰を打った箇所を
教え子の寺村優衣にマッサージをさせている。
同時に屈辱に顔を歪める武山をとりなすように水本淳子が机の下に潜り込み、肉棒を口に
含み夢中でおしゃぶりを続けている。
さらに伊藤琴乃はブラウスをはだけ、ノーブラの乳房を突き出し、武山が優理子への逆恨み
をぶつけるように乱暴に揉みしごく。
3人は元々武山のセクハラに悩まされ、小谷奈緒先生を信奉するおとなしい生徒だった。
武山は素直で暗示に掛かりやすい彼女たちの奈緒に向けられていた信頼と尊敬のベクトルを
奴隷に堕ちた奈緒を利用して自分に向けさせることに成功した。
今ではすっかり武山を崇拝し、武山の親衛隊になっているのだ。
「あぁん…大好きな武山先生に暴力を振るうなんて、八木先生を許せませんわ。」
武山に胸を揉まれる喜びに身を震わせながら琴乃が言った。
淳子もブラウスを脱いで、打ち身の部分にたわやかな乳房を押し当て、優しくマッサージを
続けながら、「武山先生は私たちがお守りします…」と言う。
2人に同意するように、優衣が一層強く肉棒を吸い上げ、激しく口を動かした。
(ニヒヒ…八木優理子…俺様に偉そうに説教したことを骨の髄まで後悔させてやるよ。)
武山は優衣の口腔に劣情を吐き出しながら淫靡な笑みを浮かべた。
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放課後、剣道場には剣道部員以外の生徒も多く集まっていた。
優理子が剣道部で模範試合を行うらしいとの情報が伝わり、彼女の勇姿を一目見ようと
いうのである。
すでに優理子の実績は生徒たちの評判になっており、愛用の剣道着と剣道袴に身を包んだ
優理子が颯爽と現れるとギャラリーから白ユリの異名も飛び交う。
(もう昔のことなのに…)
優理子は気恥ずかしさを感じながら、部員達の前に立つと気持ちが引き締まる。
伝統ある学院の創立以来の歴史を持つ剣道部も近年は実績も振るわず、部員数も減少して
いるらしい。
ギャラリーの数がはるかに多いのに苦笑いしつつ、それでも女子部員が数名いるのを
頼もしく感じる。
主将との立合いは部員たちも見学者たちも、目を瞠った。
防具を纏った姿ではそれが誰なのかは見分けもつかないはずだったが、その凛とした佇まい
はすぐに優理子であることが明らかである。
姿勢が良く、キビキビとした動きは高校の部活レベルとは一線を画していた。
正段の構えで剣先を交える姿も風格を感じさせ、さらに白百合が咲き誇るかのような
優美さを併せ持つ。
誰の目にも格の違いは明らかの通り、模範試合は一瞬で終わった。
さしもの剣道部主将も竹刀を一度も優理子の防具に触れることなく、鮮やかに面と胴を
打ち抜かれたのだった。
女剣士・八木優理子への賞賛の拍手喝采が鳴り止まない。
昨日の全校集会や教室での授業で生徒を魅了した優理子への一層の憧れは最高潮に達した。
その中に坂本と石田や小峰の姿もある。
(ククク…調子に乗っていられるのも今だけだぜ。俺たちに楯突いた落とし前はきっちり
つけてもらうからな。)
陰湿な笑みを浮かべながら坂本は小峰にある指示を出した。
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