痛い。
久美子の頭の中を占める思いはそれだけだった。もともと感じやすいほうではなく、優しく動いてもらったことしかないうえに、男を自分の一番大事なところに受け入れるのは数年ぶりであった。十分に濡れていない女性器を乱暴に犯された痛みに久美子は耐えていた。
「入ったぞ。わかるか」
男は強く抱きしめながら囁いてくる。すぐに激しく突かれると思って身構えたが、男はそのまま満足するように抱きしめながら息を整えていた。久美子は痛みが引いていくと同時に遂に男に自分の大切なところを、愛する人を受け入れるところを汚されてしまった悔しさに打ちひしがれていた。必死の抵抗もむなしく犯されたことの悔しさが頭を支配し、疲労と共に体を全く動けなくさせていた。
そんな彼女の感情など知る由もない男は恋人気取りにキスをする。はじめは唇をふれるだけの軽いキスを、次は舌で彼女の口の中をなめまわすような激しいキスを。久美子はもはやわずかに嗚咽するだけで全く抵抗せずにいた。
私ってなんなんだろう。何のために生きているんだろう。
そして男はゆっくりと動き出す。このころには久美子の中も自分の体を守るために濡れており、痛みはわずかになっていたため呆然としながらも男のなすがままにされていた。男の熱く固い男性器の感触、動くたびに力が入る男の筋肉、次第に荒くなる息遣い、そしてシャンプーの匂い。そういった男の存在を否応なく感じさせられ、抵抗することもなくただただ横たわっていた。
そういえば私が最後に体をささげたのはいつだろう。
ふと男に胸を揉まれながら奥まで突かれたとき、そんな考えが頭をよぎった。あまり友達付き合いのうまくない久美子はその寂しさから、恋人に対して多くを求めた。その分自分も尽くすほうであり、いっぱい甘えた。そんな束縛の強い彼女を今まで付き合ってきた男性ははじめ可愛がってくれたが、次第にその束縛の強さに疲れてみんな去っていった。しかし彼らとセックスした時の思い出は忘れられない。誰にも求められない自分が唯一求められていると感じる数少ない瞬間だからだ。
そんなことを思い出していると、男が一層強く抱きしめて深く入ってきた。その瞬間に涙と喘ぎ声がこぼれた。
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