妻がスナックを手伝い始めて、3日が経ち4日が経ち…、しかし妻には一向に変化はなし、酔って帰って来る訳でもなく、朝帰りする訳でもなく、何だか私にとっては期待外れのような日々が続いていた・・・・。
そして1週間が過ぎた頃「、「どうだ店は?お客入っているのか?」
「最初は1人もお客さんは来なかったけど、この頃は常連の人達が少しづつ来るようになったわ」
「お前のサービスが悪いんじゃないのか?」
「う~~ん…」
そんなことを話しながらまた日数が経ち、何も変化がないことに苛立ちさえ覚え始めていた頃、マスターから電話が入った。「悪いねマスター、妻が不甲斐ないばかりに…。お客あまり入っていないんだろう?」
「えっ?違う違う、明美ちゃんは良くやってくれているよ。お客も少し戻って来たし、新しい常連さんも出来たよ。」
「んっ?そうなの?じゃあ今日はどうした?解雇通告じゃないのか?」
「違うよ~。今回のお礼とお願いがあって」
「お願い?」
「ああ。女の子が来週から1人入ることになったけど、その子1人じゃちょっと不安でさ~、その子が慣れるまで、もう少し明美ちゃんを借りられないかなと思って。」
「何だ、改まって言うから何事かと思うだろ~。そんなのいいよ。」
「そうかい!申し訳ない有難う!今晩あたり店に来ないかい?明美ちゃんの働きぶりも見たいだろう?」
「そうするか。でも俺が目の前に居たら、あいつもやりずらいだろうから、裏口から入って覗いてみるよ」「そうかい、分かった。カギ開けておくから、いつでも入って来ていいよ。」
「分かった。それじゃ後で」
その日私は、仕事を終えた後で店に向かった。
裏口から入りマスターの部屋へ。それに気付いたマスターが私の元へ来る。
「いらっしゃい。何にする?」
「取りあえずビール。妻は?」
「ちょっと足りないのがあるから、買い出しに行って貰ってるよ」
「そうか~、ちゃんと働かせろよ(笑)」
「十分やって貰ってる。明美ちゃん人気あるんだぞ(笑)」
「へ~、そうなのか?そんなに人気だったら、裸で接待させてみたら?」
「あははは、そんなことは出来ないよ。ここは普通の呑み屋だよ(笑)でも…」「でも?」
「まぁ、ゆっくりして行ってよ」
「でもって何だよ」
「ただいま」
「ご苦労さん」
妻が帰って来てしまったので、話しは途中になってしまった。
私は妻に見つからないように、マスターの部屋に隠れた。そして直ぐに最初のお客が。
「いらっしゃいませ」
「おっ!居た居た!明美~会いたかったよ~」
「あら?偶然ね。私もよ」客の男は、妻にハグをしながら言っていた。
暫くその男の相手をしていると、お客が次々に入って来る。
妻もあっちに呼ばれ、こっちの相手をしたりと、大忙しだった。
それから数時間が経つと、お客は居なくなり、ボックス席に居たサラリーマン風の3人だけになっていた。
妻は、男2人の間に入り御酌をしている。1人の男が妻の肩に腕を回しながら酒を飲んでいた。
そこにマスターが近寄り、妻に何やら話しをしている。
「行ってらっしゃい」
「あれ?マスター何処かに行くの?」
「ちょっと用事があるみたい。でも1時間位で戻るって言ってたわよ」
「ふ~ん」
マスターは、外に出て行く時私に、目配せをして出て行った。
※元投稿はこちら >>