その45
私は、精液にまみれた沙織をぼんやりと見つめていた。
沙織は相変わらず、恍惚の表情を浮かべ、ぐったりとしている。まだしばらく動き出すには時間がかかりそうだった。
「恵美行くぞ。」
声をかけられ安藤さんの方を振り向くと彼はいつのまにか着替えを済ませ、ネクタイを締め直しているところだった。
「えっ。でも、沙織さんは?」
「放っておけ。帰りたい時に勝手に帰るだろ。恵美、店を出るぞ。早くしろ。」
「は、はい。」
私は慌ててクローゼットの中に置きっぱなしにしていたカバンを取ると、安藤さんに小走りで歩み寄った。
「沙織、また俺と恵美のペットになりたくなったら電話してこい。」
沙織は相変わらず、寝そべったまま荒い息遣いで天井を見つめていた。
「恵美、行くぞ。」
安藤さんはそう言うと私の腕を引っ張り、部屋を出た。
店を出ると安藤さんと私は道玄坂を上り、神泉を超え、代官山の方に向かって旧山手通りを歩いた。
「あの。。安藤さん?どこに行くんですか?」
「さあな。どうしようか。何も決めてないよ。」
私は大股で歩く安藤さんに置いて行かれないようにと、必死に斜め後ろをくっついて歩いた。
ふと、手をつなぎたい衝動にかられたが、自分から手を握るなど、とても出来ない。
「ちょっと疲れたな。休憩するか。」
そう言うと安藤さんは小さな公園の中に入って行き、木製の2人掛のベンチに腰を下ろした。
私も後に続き、安藤さんの横に座った。住宅街の小さな公園に人の気配はなく、ここが都会の真ん中であるという事を忘れるほどの静けさだった。
時刻は23時を回ったところだった。
「恵美、疲れたか?」
「ううん。大丈夫。」
「そうか。」
そう言うと安藤さんはたばこをくわえ火をつけた。
30秒、1分と無言が続き、公園の暗闇と静寂が私達を包み込んでいた。
「ねえ。安藤さん。。」
私はたばこをふかす安藤さんの横顔に向かい、思い切って声をかけた。
「ん?どうした?」
「あの。。何であんな事するんですか?」
私は恐る恐る聞いた。また、お子ちゃまと罵られるだろうか。
「あんな事?何の事を言ってる?沙織とのSEXを見せつけた事か?
それともこの前の飲み会の事か?」
「全部です。」
私はもうほとんど泣きそうになっていた。理由は自分でもよく分からない。
「私は安藤さんにからかわれているだけなんですよね?。。」
「なぜそう思う?」
「そう思うに決まってるじゃないですか!」
私はもうこらえきれず、涙を流していた。泣くオンナなんか嫌われる。
泣いたらダメだ。そう思ってガマンしていたが、もうムリだった。感情が爆発して抑えが効かない。
「今から私の部屋に来て抱いて下さいって言ったら、安藤さん抱いてくれるんですか?
抱いてくれないでしょ?今日会ったばかりのOLは抱くのに、私には触ってもくれない。
この前の飲み会の時だって、私の事をあんなにからかっておいて、結局あの日麻美と寝たんですよね?
私知ってるんです。麻美から聞いたから。。」
私は言い終わると嗚咽を漏らして泣いた。こんな事言うつもりじゃなかった。こんな女イヤだ。
分かっているのに涙が止まらない。
すると、ふいに安藤さんに抱きすくめられた。私は抵抗した。
「やめてください。いや。やめて。」
このまま、同情のように抱きしめられるのはあまりに惨めだった。
必死の力で安藤さんを撥ね退けようとするが、また掴まり、強く抱きしめられた。
「やだ!やだってば!」
私は抵抗を続けた。安藤さんの身体から沙織の匂いを嗅ぎ取ってしまいそうでたまらなかった。
だが結局男の力にかなうはずはなく、私は安藤さんの胸の中に収まった。沙織の匂いはしなかった。
安藤さんの匂いがした。その匂いを嗅ぐと私はまた、嗚咽を漏らして泣いた。
「恵美、泣くな。」
そう言われた瞬間、私の身体に快感が突き抜けた。
安藤さんの指が私の中に突きたてられていた。一瞬の出来事だった。
「泣くな。泣くオンナは好きじゃない。」
そう言われ必死に泣くのを堪えた。すると快感が襲ってきた。静まりかえる住宅街に私のみだらな声が響く。
「声を出すな。沙織のように自分の声も調整できないような獣はキライだ。」
私は必死に泣くのをやめ、声も押し殺した。すると静まり返る、深夜の住宅街に私のアソコから溢れ出るイヤラシイ音だけが響いた。
自分で情けなくなるほど私は濡れていた。こんなところでこんなシュチュエーションでいきなり指を入れられるなんて、私はまたからかわれている。
からかわれているに決まっている。それでももう快楽に身を任せるしかなかった。
ピチャピチャといやらしい音が住宅街に響く。恥ずかしいが、安藤さんといればどんなこともやれる気がした。
安藤さんが望むなら何でも出来る気がした。
私は安藤さんのズボンのチャックを下ろし、おちんちんを引き出した。それは激しく勃起していた。
「安藤さん。お願い。これ、いれて。」
私はそう言うと安藤さんのモノを手でしごいた。
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