その37
「なんですかそれ?何であんな事されて私から安藤さんに連絡したり、会いたいと思ったりしなくちゃいけないんですか。安藤さん少し自惚れすぎなんじゃないですか?」
恵美は怒りと照れが混じった表情でまくし立てる。
「恵美。今日はずいぶんとスカートが短いじゃないか。それに生脚だな。」
私はわざとニヤリといやらしい笑みを浮かべて恵美を舐め回すように見つめた。
「それがどうしたんですか。ミニスカ今流行ってるんです。只それだけです!」
恵美の明らかな強がりの弁明は耳に心地よかった。
「恵美。モテる男とモテない男の違いが何だか分かるか?ルックスが良くてもモテないやつ、ルックスがイマイチでもオンナをとっかえひっかえしてるやつがいる。ナゼだと思う?」
「それはもちろん中身が素敵かどうかだと思いますけど。。」
「違うな。残念ながら不正解だ。」
恵美は不満な顔を向けてくるが私は構わず続けた。
「恵美。俺はモテると思うか?」
「なんですか?自慢ですか?さぞ、おモテになるんでしょ?」
私は睨む恵美の目を見つめさらに続けた。
「教えてやる。モテるヤツとそうじゃないヤツの差は嗅覚の差だよ。」
「嗅覚??」
「そうだ。嗅覚だ。恵美、こっちに来てみろ。俺の横に座れ。」
「えっ?でも。。。」
「心配するな。何もしやしないよ。面白い実験をしよう。」
恵美は渋々といった態度と緊張した面持ちで私の右隣りに座った。
「恵美、そこの木戸が少し開いてるだろ?覗いてみろ。どんなヤツが座ってる?」
「スーツを着た女性が座ってますけど。。」
「そうだ。そのオンナを見て恵美はどう思う?」
「う~ん。出来るオンナって感じかな。男より仕事命って感じ。」
「その仕事命なオンナを俺が今から誘ったらあのオンナはついてくると思うか?断ると思うか?」
「えっ?そんなの分かりません。」
「あのオンナをもう一度よく見て考えてみろ。」
「断ると思う。」
「なぜ、そう思う?」
「だって、堅そうだし。。いきなり見ず知らずの男に誘われてついて行く人の方が少ないと思うし。。」
「不正解だ。あのオンナはついて来るよ。」
「何でそんな事が分かるんですか?」
「言っただろ?嗅覚だよ。男を欲してるオンナか否か、それを嗅ぎ分ける嗅覚があれば、簡単なことだ。
モテる男はその嗅覚を使ってオンナを見極めてるんだ。だから失敗は少ない。」
恵美は呑み込めない物を必死に呑み込むかのような表情で木戸の向こう側のオンナを眺めている。
「そこで実験だ。恵美、お前は今から俺が指定するBARに先回りして個室を3名で取っておけ。俺はあのオンナを口説いて後からそのBARに行く。
恵美は俺たちが来たら、ソファの裏でもクローゼットの中でも良いから適当な所に隠れて見てろ。」
「
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