その35
「予約をした安藤です。」
カウンターにいた店員に声をかけると、2人用の小さな個室に通された。
この前の飲み会の時と同じ掘りごたつ式だが、こちらはその時の部屋と比べてかなりせまい。
時計を見ると恵美との約束の時間まで、まだ30分以上あった。
私は時間を持て余し、たばこをふかしながら狭い個室を何の気なしに見回した。
いかにも安っぽい作りで個室と言っても右側の壁は天井まで達しておらず、背伸びをすれば、隣りの個室が覗けそうだった。
左側はよく見ると壁ではなく、木の引き戸になっていた。大人数で利用する際はこの引き戸が開けられて隣りの部屋と合わせて使用するのだろう。
私はたばこをふかしながら、好奇心で少しだけ引き戸を開けてみた。
するとそこから、閉まっていた時よりもはっきりとしたボリュームで女達の嬌声が漏れてきた。
どうやら、あちらの部屋もこちらと同じサイズの個室になっているようで、声から察するに若い女が2人で飲んでいるようだった。
会話の内容から2人ともOLである事が分かる。
興味が湧いてきた私はさらにもう少し引き戸を開いた。
どんな女達か確認したい一心で、狭い隙間から、あれこれと角度を変えて覗き込んでみる。
2人とも20代後半くらいだろうか?スーツを身にまとい、出来るオンナ感がなかなかそそられる。
悪くないな。
私はあちらのオンナ達が覗かれている事に気づいていない事をいいことに顔や胸、尻、脚を舐め回すように見つめ、頭の中で犯した。
悪くない。特に引き戸を挟んで私の横に座っている方のオンナは美人というほどではないが、身体は程よく肉感的で、放つオーラが実にエロい。
こんなオーラを放つオンナが職場にいたら男どもは仕事が手に着かないだろう。
そんな事を考えながら、私は堪えきれずに勃起した。
こちらを見ろ。俺に気づけ。お前を見つめながら、勃起している男の存在に気づけ。
横顔、組んだ脚、ヒップラインが実にエロい。
たまらず、私は勃起したモノをパンツから引き出すと右手でシゴいた。
暇つぶしには丁度いいオンナだ。
気付け。お前を見つめながらオナニーしている男の存在に気づけ。
その時だった、オンナがこちらを向き、不意に目が合った。私が笑顔で軽い会釈をすると、オンナも笑顔で会釈を返してきた。
私は相変わらず、硬くなったモノを握りしめていたが、オンナの角度からでは私の下半身までは見る事は出来ない。
時計に目をやると、恵美との約束の時間まであと20分に迫っていた。
私は射精を諦めて自分のモノをパンツの中に戻した。
入り口の方で店員が元気な声でいらっしゃいませと怒鳴っている声が聞こえる。
恵美が来たのかもしれない。
私は長い夜の始まりに備え身構えた。
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