その56
「すみません。体調を崩しまして。。今日は休みを取らせて下さい。はい。はい。ありがとうございます。
はい。いえ、書類は必ず週明けに提出します。はい。ご迷惑をおかけします。はい。よろしくお願いします。」
私は会社に風邪をひいたとウソの連絡を入れ、休みを取り秋葉原に向かった。
まだ、昨晩の麻美と安藤の痴態が頭から離れない。
麻美は安藤に心酔している。自ら安藤のちんぽを求め、恍惚の表情を浮かべていた。
あれが本当の麻美なのか?いや、違う。麻美は真面目で心根の優しい子なのだ。一週間観察してきた私の目に狂いなどあるはずがない。
麻美は安藤に騙されているのだ。弄ばれているのだ。安藤のせいで、麻美が淫乱な腐女に成り下がってしまった。
一刻も早く私が救ってやらなければいけない。時間はない。
明日から祝日も合わせた3連休に入る。この3日間がチャンスだ。この3日間で麻美を救うのだ。私の手で麻美を清らかな身体に戻してやらねばならない。
3日あれば、麻美を変える事が出来るはずだ。
今晩からそれを決行する。そのための準備がいる。時間はあまりない。
秋葉原に着くと私はまず、コスプレの専門店に向かった。
普通のコスプレ屋のモノはチープでリアリティがなく、萎えるものばかりだが、ここは違う。
本物の制服が置いてあるのだ。昔はブルセラショップなどで簡単に手に入ったものだが、今となっては、この手の店は珍しい。
店には20種類近い数の制服が陳列してある。物色していると、一つ私の吟線に触れるものを発見した。
私が通っていた高校の制服と酷似したものだ。濃紺のブレザータイプでスカートには緑色の細かい千鳥格子が入っている。
胸のワッペンこそ、母校のそれとは違うが、あとはまるで同じではないだろうか。
私は迷わず、それを購入すると足早に店を出て、さらに秋葉原の街を歩き回った。
無線街で、盗聴器や盗撮用の隠しカメラを購入し、さらに別のコスプレショップでオモチャの手錠や縄、ローション、目隠し用のアイマスク、
ローターにバイブ、ロウソクなど、手当たり次第にカゴに放り込む。
ふと、女子高生がゴージャスなレースのパンティーなど穿いていたら興ざめになると思い至り、
綿で無地のグレーのパンティーとブラを3セット、カゴに放り込んだ。
さらには、工具屋でカナヅチなどを一式購入した。ピッキングがうまく行かなかった場合に使う事になる。
これで秋葉原で揃う物はすべて、買う事が出来た。
腕時計に目を落とす。時刻は15時を回ったところだった。
思ったよりも時間が経っていた事に驚いたが、慌てる必要はない。
麻美が今日部屋に戻るのは23時頃のはずだ。
辺りが暗くなる19時ごろに麻美の部屋に侵入して、盗聴器やカメラを仕掛け、待機する。
充分に時間はある。慌てる必要はない。
近くのガードレールにもたれかかり、たばこに火を付ける。
買い忘れた物はないだろうか?そう考えた時、靴下の事を全く考えていなかった事に気が付いた。
危ないところだった。制服で、ソックス無しでは興ざめもいいところだ。
原宿に行こう。そう決めた。ラルフローレンの紺のソックスが麻美にはよく似合うだろう。
私達の世代はルーズソックスばかりだったが、私は当時からあれがあまり好きではなかった。
ラルフローレンを穿いた麻美の生脚。。想像するだけで、今すぐトイレに駆け込みたくなるが、無駄打ちはできない。
そうだ。靴もいる。ローファーも買ってあげよう。
私は弾む足取りで駅に向かった。
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