その55
「もしもし?もうすぐ事務所に着くよ。おにぎりとか、カップラーメンとかいっぱい買っちゃった。」
もうすぐだ。あと5分ほど歩けば、安藤さんに会える。
事務所に着くと安藤さんが迎え入れてくれた。
「こんな時間に呼び出しちゃって悪かったな。疲れてるだろう?汚い所だけど、適当にゆっくりしていてくれ。」
私は、安藤さんの言葉を無視し、コンビニの袋とバックを床に投げ捨てると、安藤さんの首に両腕を回し、飛びついた。
「会いたかったよ。。」
耳元で甘く囁き、安藤さんの胸に顔を埋め、目いっぱい安藤さんの一日の疲れが染み込んだような体臭を吸い込んだ。
その匂いは私を何よりも心地よくさせてくれる。
「麻美?どうした?今日はいつにも増して甘えん坊だな。何かあったか?」
そう聞きながら私の頭を優しく撫でてくれる安藤さんの手はいつも大きくて温かい。
その手で触れられてしまうと私はいつも子犬のように従順になってしまう。
張りつめていたものから解放され、自由を手に入れたような安心感を得るのだ。
安藤さんは私の人生の秘密基地のような存在だ。
何かあれば、この基地に逃げ込めば良い。いつも暖かくて、大きくて、誰も知らない、私だけの秘密の基地。
もう私はこの基地無くして、生きていく事は難しいように思えた。
誰にも知られてはいけない。私だけの秘密の基地。
「安藤さん。お願い。このまま抱いて。。」
そう言うと、安藤さんは返事をするかわりに私をデスクの上に押し倒し、覆いかぶさるようにキスをした。
私は必死に安藤さんの舌と唾液を受け止めながら彼のネクタイをほどき、ズボン越しに彼の股間をまさぐった。
安藤さんの舌が私の耳から首筋へゆっくりと移動していく。
ブラジャーをはずされ、シャツを捲り上げられ、昼間のように明るい蛍光灯のもとに私の胸が晒された。
「安藤さん。。恥ずかしい。。電気消して。。」
「恥ずかしがるのは悪い事じゃない。好きなだけ恥ずかしがればいいが、電気を消す事はできないな。
恥ずかしいか?なら、もっといっぱい恥ずかしい事をして慣れればいい。」
いつもそうだ。私の申し出が通る事はない。分かっていながら、彼にお願いをして、それを断固として拒否される事が私には心地がいいのだ。
やめて。恥ずかしい。許して。そんな私の申し出を彼が毅然と突っぱねる度に私の子宮の奥の方が疼くのだ。
もっと恥ずかしい事。。彼は後ろから突くのが好きだった。私はデスクの上で四つん這いになると、安藤さんの眼前にお尻を突き出した。
「恥ずかしすぎて、おかしくなりそう。。」
安藤さんはデスクの上に上がると前戯もないままに後ろから私を突き刺した。
前戯など必要はなかった。私の中は充分すぎるほどに潤っていた、彼のモノは天井めがけて猛っていた。
彼の容赦ないピストンが私の尻を打ち付ける度に静まり返るオフィスにそぐわない、イヤらしい音が響く。
「安藤さん。安藤さん。。好き。大好き。」
私達は蛍光灯に照らされる中、デスクの上で交わり、果てた。
※元投稿はこちら >>