その10
麻美はすぐに指定したBARに現れました。
気のせいか、麻美はさっきの泥酔がウソのように
表情も足取りも口調もしっかりしているようでした。
さっきの泥酔は演技?それとも外の空気を吸って少し酔いが冷めた?
前者であるなら私は少し麻美に対する警戒を強めなくてはいけないと思いました。
この子は意外と一筋縄ではいかないのかもしれない。
やはり、関係を持つ前にまず、この子の真意を探るためにもじっくり話しをしてみよう。と決めました。
焦りは禁物です。何せ私は既婚者です。
もし、麻美がとんだ食わせ者なら、只々弱みを握られるような関係の持ち方は危険です。
麻美は席に着くなり、強めのお酒を注文しました。
私がだいぶ飲んでるけど、大丈夫なの?」と聞くと
麻美は「あたしお酒強いんだ♪勝負する?」と笑顔で答えて来ます。どうやら上機嫌である事は間違いないようでした。
「ねぇねぇ。何であたしを誘ったの?」
「何でって、そんな事俺に言わすの?」
「うん。何で?」
「参ったな。。そりゃ、もっと麻美ちゃんと話しがしたかったからだよ。て、言うか知ってると思うけど、俺既婚者なんだから、そこまで言わせるなよ。」
「何で?既婚者は女の子とBARで2人でお話ししちゃいけないの?それともお話しだけじゃないからって事?♪」
「逆に聞くけど、じゃあ麻美ちゃんはどういうつもりでついて来たの?結婚してる、自分より10歳以上歳が離れたおっさんと2人で飲んだって楽しくないとは思わなかった?」
「うーん。思わなかったかな。あたしももっとお話ししてみたいと思ったの。それに、全然おっさんじゃないし。。」
私達はこんなジャブを打ち合うかのような会話を楽しみながら、会話は徐々に互いに一致しているゴールに向かい加速していきました。
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