わたしの、歪んだ性に関する嗜好は、山田の話をたまたま通りかかった時に、実は始まっていたのかも知れません。普通なら、好意をよせていた女性と交際を始め、幸せの絶頂にいる最中、その少し前に、恋人が彼氏と知人から乱暴なやり方で強姦された上、どこにも相談できないように、辱められている写真を大量に撮られたことを知れば、非道で許される余地のない行為を、反省はおろか、自慢気に、さらに罵倒嘲笑しながら同僚に話す山田を、怒りにまかせて襲いかかって当然かもしれません。
でも、わたしは、怒りよりむしろ、その後は本当にもう何もないのか、交際を始めわたしと一緒にいない間、まだ山田や山田の知人から、めちゃくちゃにされていないのか、もしされているのであれば、どんなひどいことをされているのか…みかの身を案じる心配とは違った別の感情から、物影に身を小さくし、山田たちがその場を離れるまで、息を潜め、聞き耳を立てていました。
恥ずかしい話ですが、山田の話を聞いて、めちゃくちゃにされたみかの姿を想像した、その時のわたしの股関は、熱を帯びて硬くなり、手でしごいてもないのに、大量の白く濁ったモノを出し、下着を汚していました。
その場を離れ、仕事に戻っても、話のことが気になり、なかなか集中できませんでした。
直接山田に話をし、写真を見せて欲しいと頼みたい衝動にさえ駆られましたが、さすがにどい話をもちかければよいかわからず、悶々
としていました。
仕事が終わり帰宅すると、みかから電話が入りました。わたしは気が動転しましたが、何とか平静を装おうと努めました。わたしと違い、山田たちに陵辱されたことをわたしが知ったことを知らないみかは、いつもと変わらず明るく、今からわたしの家に来ると言い、はやる気持ちを抑えきれない様子で電話を切りました。
しばらくすると、みかが来ました。わたし自身、女性経験が乏しく、付き合ってからみかとは、まだ一度も体の関係にはなっていませんでした。付き合いだしいつしか、ほぼ毎日のように、みかがうちに泊まりに来るように
なりましたが、お風呂はもちろん別々ですし、寝る時も別々の布団で、寝る前に軽くキスする程度でした。
実際にうちに来たみかを目の前にすると、昨日までとは全く違う、異常なほどの胸のドキドキするのを抑えきれず、みかを直視できず、体が熱く火照り、顔が真っ赤に紅潮していることが、あちこちから滲んでくる汗で感じるほどでした。
わたしの様子がいつもと違い、会話も続かず
、部屋の空気が重くなりましたが、わたしは平静を保つこと、みかの陵辱されている姿の想像を頭からかき消すことに必死で、どうすることもできずにいました。
すると、
「ひろしくん…わたし、ひろしくんの彼女でいいのよね?ひろしくんは、私とこのままずっと一緒にいてくれるの?」
と聞いてきました。
「…も、もちろん!」
頭を離れない山田の話と、プロポーズとさえ
受け取れる、甘えたか弱い声でのみかの予期しない問いかけに、嬉しさよりも動転して、
たどたどしい様子でこう返すのが精一杯でした。
みかは、わたしに寄りかかるように、トロッとした上目遣いでわたしを見、顎を少し上げました。唇がゆっくりと軽く開いたり閉じたりしていました。気がつけば、わたしとみかは裸で、激しく唇を重ねながら抱きしめ合い、お互いの体を撫で合っていました。しばらくすると、
「…お風呂、入らない?それからまた…」
みかがそう言いました。二人でそのまま風呂場へ行き、お互いの体を流しあい、風呂場でまたじゃれ合ったあと、二人の初めての日を迎えました。女性経験の乏しいわたしを、みかがリードしてくれました。
「…ぁあぁん…入ってる…」
初めてみかと一つにつながり、みかの声を聞いたことで、それまで忘れていた山田の話をまた思い出したわたしは、異常なほどに気持ちがたかぶり、数分もしないうちに、みかの中に出してしまいました。みかは、あまり早くにわたしが絶頂したので、少し戸惑った様子でしたが、怒り出すこともなく、それからも何度も愛しあいました。
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