月曜朝のゴミ集積場で近藤夫人は山高く積まれたゴミ袋に苛立っていた。
確かに今日は燃やすゴミの日である。
自分の家の前がゴミ集積場になのも、そのお陰で夫の安給料でもこの高級住宅街に格安の中古住宅を
購入出来た一因となっているのだから我慢も出来る。
しかし、今日のゴミの量は尋常では無い。
どこかで引越しでもあったかと思う程、大量のゴミ袋は近藤邸の塀の高さまで達しようとしていた。
「一体誰なのよ、こんなにゴミを出した常識知らずは…!」
苛立ちをぶつけるように、自分が持って来たゴミ袋をその山に叩き付けた。
「キャッ…!」
器用に積み重なっていたゴミが雪崩れのように崩れ、近藤夫人の足元に散乱した。
市指定の半透明のポリ袋である。
中身が近藤夫人の目に飛び込んだ。
「あら…これって深沢さんが前に着てたワンピースじゃない…」
高級ブランドのデザインに見覚えがあった。
「あら…これもそうだわ…あれも…これも…」
近藤夫人が積まれたゴミの山を注意深く観察すると、どれも衣類がパンパンに詰められている。
同じ家庭から出されたゴミであるのは一目瞭然である。
「あのいけ好かない女の仕業ね…どういう嫌がらせよ…頭来ちゃう。」
近藤夫人は亜樹が嫌いだった。
後妻として深沢家に入った亜樹の美貌に周辺の亭主たちはメロメロだった。
彼女を見掛けると嬉しそうにデレデレと鼻の下を伸ばすのは近藤夫人の夫も例外ではない。
『美人な上、品があるよなぁ…お前も少しは深沢さんの奥さんみたいなら良いのにな』
と夫に言われたのも根に持っている。
深沢家の主が一流商社の重役なのも知っていたから、亜樹が娘を手懐け、父親をたらし込み、
上手いこと玉の輿に乗ったのだとやっかみもあった。
自分の家の3倍はあろうかと言うモダンな注文設計の家に住み、自分のようにパートにあくせくする
こともなく、名門高校に通う娘と悠々自適な暮らしの亜樹が本当に忌々しい。
亜樹が後妻に入ってその家に住み始めた頃、好奇心から夜の生活を聞き出そうとした時に、やんわりと
拒絶され、その時に見せた軽蔑するような態度が癪に障る。
さらに近所の誰に対してもお高く留まったところは無く、主婦仲間でも評判が良いのが却ってムカつく。
(こんなゴミの出し方して非常識だってイヤミの一つも言ってやろうかしら…)
近藤夫人は散乱したゴミ袋を足で蹴飛ばしながら、深沢邸を睨み据えた。
その時、近藤夫人に一人の初老の男性が話しかけて来た。
ギョッとして見ると、鼠色の埃っぽいジャケットをだらしなく羽織った貧相な顔立ちの男である。
卑屈な態度でありながら、下品な面持ちに慇懃無礼な笑みを浮かべ、指にいくつかの鍵が付いたキーホルダー
をブラブラさせている。
「深沢って家はこの辺りだと聞いて来たんだが、ご存知かの?」
「深沢さんならあそこですけど…」
近藤夫人はこの辺りでは見慣れぬ男に警戒心を抱きながら、つい今まで睨みつけていた家を指差した。
男は「ほぉ…立派な家だな…」と独り言のように呟き、礼も言わずに深沢家に向かって行った。
(何なのよ、あの下品なオヤジは…)
近藤夫人は不快な思いをしながら、好奇心を抑えようも無く、目で男の後を追う。
男は深沢邸の前に立つと、そこに呼び鈴があるにもかかわらずさっさと門扉を入って行った。
さらに注意深く眺めていると男は玄関の扉を開いて勝手に家の中に入ったようだ。
さっき指にぶら下げていたのは深沢邸の鍵だったのだろうか。
(あの男…深沢さんのご主人じゃないわよね…娘はもう学校に行ってるはずだし、今、家にはあの虫の好かない
亜樹が一人きりのはずだけど…)
あの亜樹が家族の留守に男を引っ張り込んでいるとは思えないが、秘密の匂いがプンプンする。
(そう言えばあの女、昨日は娘の友達まで引連れて…ダイエットとか言って、変な縄を掛けてたわよね。)
近藤夫人に芽生えた好奇心は次第に大きくなって行く。
谷井は通学途中の瑠奈と耀子と恵理子たちと会ってこの家の鍵を預かって、訪れたところである。
学校がある奈緒や恵理子や彩香は坂本らに任せて、この時間は亜樹を自由に弄ぶことが出来る。
ゴミ集積場で片付けをしていた中年の婦人に道を尋ね、辿り着いた深沢邸は想像以上の豪邸だった。
瑠奈と耀子は昨夜はこの家に泊まり込んで、亜樹と恵理子の母娘にレズを仕込んだらしい。
『亜樹は玄関まで来れないから勝手に入っちゃってね。』と瑠奈に言われていた。
谷井はその言葉通り、勝手に鍵を開けて中へ入った。
谷井のアパートの部屋ほどもある広い玄関にため息を吐きながら、さっさと室内に入って行く。
(寝室にいるって言ってたっけな…)
そう言われていたが、部屋が多すぎて亜樹の寝室に辿り着くのにずいぶん手間取ってしまった。
亜樹の寝室に足を踏み入れた谷井は思わず苦笑いをした。
亜樹はダブルベッドの上に身体を折り曲げて、まんぐり返しで縛られていた。
「うー…うぅうー…」
口には猿轡をされていて、声にならない。
亜樹の顔の上で丸出しになった女性器に極太のバイブが突き立てられ、入り切らない部分が
卑猥にクネクネとうねっていた。
ご丁寧にバイブが落ちないように細い紐で腰に繋げられ、さらに左右の乳房には小さなローターが
ガムテープで貼り付けられ、振動を続けている。
しかし、谷井が苦笑いしたのはそんな亜樹を取り囲むように幾つもの写真立てが並んでいることだった。
どれも亜樹の夫・忠義が写っている。仲睦ましい家族写真もある。
家中の写真立てをかき集めたのだろう。
亜樹は愛する夫の笑顔を前にまんぐり返しの卑猥な姿を晒しているのだ。
谷井はベッドの縁に腰掛け、亜樹の猿轡を外した。
「あは、あは、あはぁぁ…谷井様…谷井様…亜樹、逝っちゃう…
もう何度も逝ってるの…オマンコ気持ちいいぃぃ…」
瑠奈たちが出掛けて一時間以上もこの状態は続いているのだろう。
固定されたバイブとローターはスイッチが入れられっ放しで、何度でも逝かされているのだ。
猿轡を外された亜樹は痴呆のように焦点の定まらない瞳で谷井に救いを求める。
※元投稿はこちら >>