物語10:
蝋燭や鞭は手に入れたものの、使う機会はほとんど無かった。
蝋燭は、その揺れる炎があたりから見えてしまえば、怪しまれてしまうし、火事の危険性もある。また、静かな夜に鞭の乾いた音が響けば、あまりにも不自然であり、見つかってしまう危険が大きかったからだ。
それなりに工夫をすれば、蝋燭や鞭も使えたのだろうが、さすがにそこまで知恵が回らない。
一方、野外でのオナニーは、定番化していくのだが、場所だけは常に場所を変えるなど、考えていた。
一ヶ所ではオナニーをしたなら、そこには一ヶ月以上近づかない。
変態オナニーの証拠は、千切られた小さな蒟蒻だけであり、後は何も残さない。
一度でも、近くに人の気配を感じたり、危険と思われた場合には、そこには二度と近づかない・・・などなど。
しかし、野外オナニーを始めてから一年近く経った頃、ある男が家を訪ねて来た。刑事・・・である。
佳奈は、全てが発覚してしまったと思い、怯えていたが、刑事(年齢二十八歳:柳本)は、そこまで気づいていないようだった。彼の話は、こうである。
夜、不思議な場所に車が放置されていたのを発見したある男が、念の為、その車のナンバーを控えた。そして、もしかしたら、何らかの事件性があるのではないかと、警察に通報をした。勿論、不審車両はその後、見ることはなく、そのままになってしまったが、別の場所でも不審車両の報告があり、ようやく調べることになった。
こうして、レンタカーのナンバーと、その日、誰がその車を借りていたかを調べ、佳奈のところに事情聴取をする為、彼はやって来たのだ。
佳奈は、当然、本当のことは言えなかったが、「暗いところでないと星がよく見えないから・・・」と、星に興味がある女を演じ、その場を凌いだ。
一応、危険は去ったものの、やはり野外オナニーは危険であることを改めて知った佳奈は、方法を新たに考えなければならなくなる。
もう・・・車は使えない。ならば、自転車ならどうか・・・?自転車では、動ける範囲は限られているけれど、見つかる心配も少なくなるはず・・・。
ここで補足説明をしておくと・・・。
佳奈が住んでいるのは、某地方都市の近隣にある小都市。その中心部から少し離れた場所に、佳奈のマンションがある。また、マンションから会社までは、自転車で十分も掛からない田舎にある。たまたま、雨の日に、顔見知りの先輩に車で自宅に送ってもらい、それが縁で、毎日、彼女と一緒に会社に行くようになっただけのこと・・・。
ただ、野外オナニーをする場合には、自宅からなるべく遠くで・・・という想いがあったので、レンタカーを借りたのであって、自転車で十分以内の場所にも、たくさんの野外プレイの出来る場所はある。
市内から少し外れれば、あたり一面、田畑が広がる地域だし、農機具置き場などは、そうした畑の中にぽつりとあるだけだ。他にも、林や森、高速道路の下にある地元民だけが利用する通路や、森に囲まれた神社、川までは多少、距離があるものの、河川敷にはたくさんの安全な場所がある。
こうして、佳奈は車を借りることを止め、自転車で出掛けることにする。
しかし・・・あの刑事は、最初から佳奈のことを疑っていた。野外で何をしていたのか、そのおおよその見当もついていた。そうとも知らず、自転車ならば安全と思い、その日も、夜の十時を回った頃、佳奈はいつもの準備をし、いつものバッグを荷台に乗せて自転車で出掛けた。あの刑事が罠を張っているとも知らず・・・・。
刑事である柳本が使った手は簡単である。
GPS機能の付いた携帯を、自分が翌日、休みである日の夜に、密かに佳奈の自転車の荷台の裏に貼り付けておく。それだけで、自宅にいながらにして、佳奈の夜の不審な行動は全て分かる。
そして、本来、二十前後の女の子が夜中に行くような場所ではない所にいれば、そこが露出オナニーの場所であることが特定できる。その後、ゆっくりと準備をして、車で出掛ければいいのだ。
勿論、夜中に出掛ける様子が無ければ、朝、早めに携帯を回収するだけでいい。
ついでに・・・柳本について話しておこう。
彼は、大きな農家の長男であり、本来、家業を継ぐ立場にあった。しかし、彼には弟がおり、父親は、仕事の手伝いを小さな頃から嫌がらない弟に期待をしていた。
そんなこともあって、兄の柳本は、家業を継ぐことになる弟に対して、父親が他界した場合には、その農地や実家などを全て譲ることにする。その代償として、父親には、家を一軒建てて欲しいと申し出る。こうして、田舎ではあるけれど、幹線道路沿いに大きな庭付きの一軒家を手に入れることになる。
さて・・・この柳本は、警察官になることにしたのは、公務員だからであって、特別、正義感が強い訳ではなかった。
それでも、刑事という仕事にはある種の憧れがあり、それなりの努力をして刑事課での仕事を手に入れる。
その張り込みなどを含め、野外での活動が多い彼は、時として、奇妙な女を見かることになる。普通なら、そんな時間、そんな場所にいるはずがない若い女性や人妻らしき女性がいる・・・・。様子を見ていると、何と・・・野外オナニーをする変態のマゾ女!!
こんな美味しい話はない!
職務質問と称して、相手の個人情報を手に入れ、それを公にしない代わりに、その女の身体を楽しませてもらう・・・。これまで、何人の女たちと、こうした関係を持ったか分からないが、そもそも、野外でオナニーをする女たちには、レイプ願望もあり、柳本に犯されることを本音では、嫌がっていないのだ。
こうした経験を経て、野外露出をする女に対して鼻が利く刑事になっていった。
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