遅くなりましたが、この話はあくまでもフィクションです。
m(__)m
一ヶ月前…
ぼくは、午前中…近所の大型書店にいた。
大学をサボり、楽しみを求めて…
いつも、客が少ないこの時間を、ぼくは選ぶ。
この日も、店内はガランとしていた。店員がレジに一人、棚整理に一人。客は見当たらない。
「いらっしゃいませ」
レジの女性店員が、書類に目を通しながら、ぼくに声をかける。
ぼくは、その声に反応すること無く、そのまま店内の奥に足を進める…
ぼくは、真っ直ぐに店の奥にある何時ものコーナーに心持ち早足で向かう。
(成人誌・十八歳以下はご遠慮ください。)
雑誌やDVDが整然と並ぶ棚に足を止める。
ぼくは、何時もの場所に目を向ける。
(SMミストレス)
ぼくは、静かにDVDを手にする。
ぼくの憧れのミストレス…ジャケットには、ミストレスがラバーを身に纏い一本鞭を振りかざしている。
ぼくは、顔を上げ、何時ものように監視カメラを確認する。
二ヶ月前…ぼくはあるサイトでこの店を知った。
最初は、悪戯気分だったが、ぼくの趣味が行動をエスカレートさせる。
この店は、監視カメラの配置場所が甘い。特にこの成人コーナーでは至るところに死角が発生していた。
ぼくは、辺りを見回して人気の無いのを確認すると、ゆっくりとバッグの中にDVDを忍び込ませる。
ぼくは、そのままゆっくりと場所を移動する。
最初は、緊張して心臓が飛び出しそうになるほどだったが、今ではすっかり慣れてしまった。
ぼくは、参考書が並んだコーナーに行くと、参考書を適当に取り出して、置いてある椅子に腰かける。
ぼくは、片手で参考書を持ち、読んでいるフリをしながら、もう片手でバックの中のカッターナイフを手にする。
バックの中のDVDのビニール包装をゆっくりと…ゆっくりと切っていく。
もう、慣れたものだ…
手先は、昔から器用だ。
あっという間に包装を切ると、パッケージを開けて中のDVDを取り出す。
バックの内ポケットにDVDを入れると、ゆっくりと立ち上がり、参考書を元に戻す。
ぼくは、再び成人雑誌コーナーへと足を向ける。
ぼくは、静かに死角へと忍び込み、バックの中から空になったDVDパッケージを取り出す。そして、パッケージを元に戻す。
ぼくは、何食わぬ顔で店の入り口に向かう。
レジの店員は、まだ書類に目を通しながら
「ありがとうございました。」
と声をかける。
ぼくは、店内を見ることは無く、静かに店を出た。
店を出て、二三歩歩いた時…
「君、ちょっと待ちなさい!」
ぼくは、口の中から生気が飛び出しそうになった。
振り返ると、白いスーツ姿の四十代後半の女性が立っていた。
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