~第56話~
いくら斉藤の命令と言えども、目の前には初対面の男。
例え見せるだけだとしても、そうやすやすと命令に従うわけにはいかない。
斉藤の為だけならまだしも。そんなプライドが美香を躊躇わせた。
だが、この行動こそが斉藤だけでなく、槇村をも悦ばせる結果となってしまった。
「おやおや、斉藤くん。話が違うじゃないか・・ん?」
はい。そうですか。と簡単に従ってもらってはつまらない。
美香はマゾでありながらギリギリのところで最後の恥じらいを失わない。
男としては理想の反応をしてしまったのだった。
「まぁまぁ・・美香、俺の言う事が聞けないのか?」
さらに槇村には聞こえないように耳元で囁く。
「見てみろよ、あの真面目そうな顔。お前の旦那と同類だと思わないか?
今まで女を満足させた事なんてないんだろうなぁ。報酬ははずむから言いなりになる女を紹介してくれって言って来たんだよ。可哀そうだとは思わねぇか?
金はあるのに誰も相手にしてくれないってのもよ」
斉藤の言葉を聞きながら槇村を見ているうちに本当に可哀そうに見えてくる。
この人に下着を見せても襲いかかる勇気はないだろう。
「失礼します・・」
浩二と同類。初老の男。そして隣には斉藤がいる。
その安心感から覚悟を決めた美香は一言だけ言うと、テーブルの上に乗り、槇村の目の前で膝立ちになった。
「おっ。待っていたよ。さぁ、早く見せておくれ」
美香の行動で一気に笑顔になった槇村の視線が股間に集中する。
その刺さるような視線を浴びながら両手で裾を掴み、ゆっくりと捲り上げていった。
「あのっ・・そ、そんなに近くで・・見ないで下さい・・」
捲り上がっていくごとに槇村の顔が近づいてくる。
「ふふっ・・せっかくだから・・近くで見ないと損だろう・・?」
その声はすでに興奮で震え鼻息も荒くなっていた。
徐々にミントのパンティが露になっていき、完全に捲れ上がった時にはパンティの目の前まで槇村の顔が迫っていた。
「あっ。あの・・」
戸惑う美香に斉藤が助け船を出した。
「ははっ・・槇村さん。興奮しすぎですよ。そんなに近づかなくても逃げませんよ。
それに・・見るだけ・・じゃ物足りないでしょ?」
槇村の顔が少し離れ助かったと思ったのもつかの間。
今度は斉藤の言葉に戸惑ってしまう。
(み、見るだけじゃ・・ないの?)
ある程度の予想はしていた。下着を見て「はい、さようなら」とはいくはずがない。
美香は、斉藤がただ抱くだけでは面白くなく、以前の露出行為で、第三者に見られる事が美香自身をより興奮状態にできると見越し、見物人として槇村を呼んだ。そう睨んでいた。
それに斉藤は嫉妬深い男。そうやすやすと自分の女を他人に触らせまい。
そう高を括っていたのが間違いだった。
「さ、触ってもいいの・・か?」
興奮した槇村は斉藤と美香を交互に見つめ質問を繰り返す。
こうなってはもう後戻りはできない。もはや自分の意思を尊重する事など無意味に等しかった。
返事をせず、黙ったままの美香は斉藤の一言を待っていた。
「ほら、美香。質問に答えなさい」
「は、はい・・あの・・よろしければ・・触って・・下さい・・」
自分の意志ではなく斉藤の命令で、という、美香のプライドを傷つけずに
斉藤は目的を果たしていった。
それを聞いた槇村も上機嫌で指を下着へと近づけていった。
「それにしても・・ここはいい匂いがするなぁ・・」
再び鼻を美香の股間に近付けると、そこは槇村が来る直前に受けた斉藤からの愛撫でパンティにシミを作る程滴らせた愛液、そして、斉藤と初対面の槇村に見られた事で再び分泌された愛液で甘酸っぱいメスの臭いを放っていた。
「そ、そんな事・・言わないで・・下さい・・」
言葉責めに弱い美香は顔を赤くし、槇村の指がパンティに触れた瞬間、敏感に反応し歓喜の声を上げてしまった。
「あんっ・・」
つづく。
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