~第52話~
バイブで満たされた身体を起こし、再びベッドを元通りにして夕食の準備に取り掛かった。
1日に斉藤とバイブで何度も達した美香の満たされた身体からは、本人すら気付いていない妖艶な色香が体内から微かに滲み出ていた。
それは斉藤と再会してから浩二に対しての罪悪感と背徳感を常に抱きながら与えられる極上の快感。その積み重ねが美香の身体に変化を齎していた。
夕食が出来上がる頃、タイミング良くインターフォンが鳴った。
いつものように浩二を出迎える美香。
昼間、斉藤を寝室に入れ乱れていた事など全く想像すらさせない、いつもと変わらない態度だった。
怪しむ気配すらない浩二は先に風呂に入り、夕食を共にする。
今日は何をしていたのか。どんな事があったのか。
よくある夫婦の会話にも美香は何の躊躇もなく嘘をつき、浩二に疑う隙すら与えなかった。
食後のコーヒーをテレビを見ながら二人で楽しみ、いよいよ寝室へ。
さすがの美香もこの時ばかりは緊張が走った。
何か斉藤の痕跡を消し忘れていないか。浩二に勘付かれないか。
だが、その緊張も徒労に終わった。昼間ここで斉藤と激しく乱れた事など予想だにしない浩二は当たり前のように自分がいつも寝ている場所で横になった。
本当に何も異変を感じないかドキドキしながら隣に寝ると浩二を見つめた。
「なぁ・・美香・・」
「ん?なに・・?」
やはり何か異変に気づいたのか、緊張しながら浩二の次の言葉を待つ。
「最近、またキレイになった・・?んん・・なんて言うか・・色気が増したっていうか・・」
「えっ?・・そう・・気のせい・・じゃない?でも・・浩二にそう言われると嬉しい・・」
見つめ合っていた二人はどちらからともなく唇を重ね、舌を絡ませていった。
美香の危惧していた言葉ではなかったものの、浩二は何らかの異変を感じ取っていた。
斉藤により女の悦びを何度も味わった美香の身体は女性ホルモンの分泌が増し、今までよりも強い色香を放っていた。
自分の体だが、全く実感のない美香は浩二に疑いの言葉ではなく嬉しい言葉を投げかけられ素直に喜んだ。
年を重ねてもなお衰えるどころか深みさえ感じる美香の色気に興奮しているのか、浩二の胸を揉む手はいつもより荒々しく、さらにもう片方の手は一気に美香の股間へと進んでいく。
「アンッ・・浩二・・」
乳首はすぐに反応し硬く尖る。それをタイミングよく浩二の指が捕らえて撫でてくる。
さらに熱くなった女芯へと浩二の手が近づき直接触れたとき、今度は気のせいでもなんでもない異変に気づいた。
「み、美香・・剃った・・んだ・・」
パンティの中に指を入れて秘部へと進もうとしたその時、あるべきはずの感触がなかった。
「えっ?う、うん・・気分転換・・に。嫌・・だった?浩二が喜ぶかなぁ・・って」
とっさに出た嘘に浩二はここでも疑う事を知らず、自分の為と知り余計に興奮してくる。
「俺の為に・・嬉しいよ・・うん。すごく興奮・・するよ・・」
ニュルッとなんの抵抗もなく浩二の指を受け入れた秘部の中を必死に掻き回していく。
「アンッ・・アンッ・・いい・・浩二の指・・」
斉藤には到底及ばない指使いを否定する事も出来ず、ただ出入りするだけの指に
浩二を満足させるための言葉を放った。
「はぁ・・はぁ・・美香・・本当にいつもよりキレイだ・・」
美香の喘ぎ交じりの言葉に興奮しきった浩二は一気に勃起した肉棒を秘部に宛がい、
挿入し始めた。
「アンッ・・きて・・浩二の・・欲しい・・」
仰向けになったまま浩二の肉棒を受け入れ、単調な腰使いに合わせて声を上げる。
浩二の愛情は感じつつも、やはり肉体的な快感が訪れる事はなかった。
それでもキュッ・・キュッ。と肉壁が肉棒を締め付けていく。
「はぁ・・はぁはぁ・・美香・・気持ちいいよ・・もう・・イキそう・・」
ちょっと締め付けただけですぐに弱音を吐く浩二。それはいつもよりもさらに早く感じた。
「いい・・よ・・私もイキそう・・だから・・一緒に・・」
今満足できなくとも、斉藤に抱かれれば・・そんな思いがふとよぎり浩二を
満足させるべく一緒に絶頂する演技を選んだ。
「イクよ・・美香・・あぁぁぁ・・出るっ・・」
美香の中に熱いものが注がれる。
「あぁぁ・・浩二・・私もっ・・イクッ・・」
浩二に合わせて絶頂の振りをしそのまま抱き合った。
「美香・・愛してるよ・・」
「浩二・・私も愛してる・・」
たとえ身体は満たされなくても、浩二の愛を感じる瞬間。この瞬間は斉藤では味わえない喜びだった。
つづく。
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