精算にフロントに向かうと、隆太はおらず、女性の店員だった。
やはり大学生ぐらいだろうか、長身で髪はベリーショートだが、決して男性的ではなく、綺麗な顔だちをしている。
3人とも見とれるようにじっと固まってしまい、笑いかけられ、あわてて会計を伝えると、その店員が
「あっ、隆太くんが精算してくれてるから大丈夫」
とこたえた。
「えっ!?ドリンクはサービスだって言ってたけど。。」
「いいのいいの、高校生がそんなこと心配しない。こんど来たときはわたし指名してくれれば、またサービスするから」
そう言って笑いながら名札を見せた。
【高城優奈】
「××女ならわたしの後輩だし。絶対また来てね」
そう言って笑いながら手を振る。
隆太にお礼を伝えてもらうように、その優奈という店員に言い、店から出る。
「なんか綺麗っていうか妖しい感じの人だったね」
「でも、あぁいう人憧れるかも。。」
「なに、さっきまで隆太さんの筋肉がぁ言ってたのに。あ、でも梨沙バイだもんね」
二人が今度は優奈の話題で盛り上がるなか、
(まさか隆太くんと関係あるのかな。。?)千晶の胸の中で嫌な疑いが渦を巻く。
その時、携帯に着信があった。
見知らぬアドレスからだったが、なんとなく開いてみると
【ちあへ。久しぶりに逢えてよかった。てか制服かわっただけじゃなく、雰囲気も可愛いっていうか、大人っぽく綺麗になってて驚いた。一緒にいた二人がガキっぽかったから余計かな。また遊びに来て。駿はいないけど、またそのうち、遊びに行くよ】
隆太からのメールに思わず顔を赤くし、二人に気づかれていないか、慌てて携帯を閉じる。
幸い、二人はまだ隆太と優奈の話題で盛り上がっていて気づかない。
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