隆太と再会したのは、高校に入学して半年ほど経った頃である。
友だちとの学校帰り、繁華街を通り駅に向かう途中、店先でチラシを配る店員に声をかけられた。
「平日なら学生割引あるから良かったらどうぞ」
普段なら、チラシも勧誘も無視する千晶だったが、なんとなく声に惹かれるものがあり、店員の方を見て、お互いに声が出た。
「あれ、隆太くん?」
「あれ、ちあ?」
そう言って笑い合う二人。
「あっ高校、××女受かったんだっけ?
制服変わったら大人っぽくなっちゃったから気がつかなかったよ」
懐かしさと伝えられない隆太への想いに涙ぐみそうになりながら、話しかける。
「元気そう。バイトここでしてたんだ?
いつも通ってたけど気づかなかった。。」
「ここは2カ月くらいいるんだけど、いつも中だから。
あっ、友だち?同じ学校なんだ。優秀な学校なのにみんな可愛いね。
もし時間あるなら寄ってって。サービスするから」
ほかの二人も可愛いと言われまんざらでもないのか、笑って、「どうする?」という感じで千晶の方を見ている。
「じゃあ。。せっかくだから。。
隆太くんの営業に貢献ってことで」
内心、二人が可愛いと言われたことに嫉妬のような感情はあったが、とりあえずやっと逢えた隆太と接していたかったこともあり、店に入ることにした。
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