すると、その晩、今まで連絡を寄越さなかった隆太からメールが届いた。
【優奈ちゃんから聞いたんだけど、今日、来てくれたんだって?今、夜のシフトが多くて昼間いなくてごめんね。○○日なら夕方から出てるからまた皆で来て。優奈ちゃんが、サービスしてくれるって言ってるから】
一人で訪れたにも関わらず皆で来いと言っていたり、優奈優奈連発しているのには正直腹が立ったものの、やはり隆太からメールをもらえたことはうれしく、逢ったら言おうと思っていたことを悩みながら文字にする。
【たまたま時間あったから寄っただけだから気にしないで。優奈さん、いつ見ても綺麗だね。しかも店長さんなんだ?
あっ、ママに話したら、ママも隆太くんに逢いたいって言ってたから、うちにも遊びに来て。バカ兄はいないけど、うちならいつでも大歓迎だから】
(また昔のように泊まってったり、一緒にどこか旅行でもできないかなぁ。。)
そんな想いを込めながらメールを送信する。
翌日、隆太からのメールにあったとおり、◯◯日にお店に行かないかという話をすると、千晶の想いなど知らない二人は大喜びで賛成した。
隆太からはそのあとの返信がない。
家に帰って、部屋で一人煩悶する。
(大学とバイトが忙しいだけだよね。。
まさか彼女なんて。。)
そして頭の中を優奈の姿がぐるぐると回る。
【◯◯日、また三人で行くね。
いっこ聞いていい?優奈さんって隆太くんの彼女??】
メールを作成してはあるものの、送ることができずにいた。
(やっぱメールしちゃおうかな。。
別にこれだけなら勘ぐられることもないだろうし。。)
悩んで、ついにメールを送信する。
しばらく経って、
【了解。待ってるよ。優奈ちゃんはあそこの店長っていうか、あのカラオケ屋のほか、居酒屋とかレストランとかやってる▲▲チェーンの娘なんだよね。すげぇ金持ちで、優奈ちゃんも本当はうちの大学の薬学部出て薬剤師の資格あるんだけど、とりあえず今は実家手伝ってんだって。そんな人の彼氏なんてとんでもないよ。学校とバイトで彼女どころじゃないし】
と返信があった。
(よかった。でも優奈さんってそんなすごい人だったんだ。。なんかますます苦手かな。。)
ひとまずは安心し、携帯をそっと胸に押し当てる。
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