~第35話~
絶頂が近づく美香にとっては今、ここがどこなのかを知ってもどうでもよかった。
目隠しをされてから耳が極端に敏感になっていたが、周りに人の気配も車の気配も
一切感じなかった。
それでもあえてここでアイマスクを外そうとする斉藤の声はどこか楽しそうだった。
美香は目を瞑り快感に酔いしれていると・・
「ほら、ちゃんと目を開けて見るんだよ・・」
言われた通り、ゆっくり目を開けていく。
自分の知っているところなのか・・それとも目を開けることによってさらなる興奮が高まるのか。
久しぶりに自由になった目でフロントガラスの向こうの景色をぼんやりと眺めた。
「アンッ・・アンッ・・ハァ・・ハァ・・い、家・・・?」
目の前に人はなく、右も左も・・誰かに今の痴態を晒し興奮させるのが斉藤の思惑だと
思っていたが・・家。だった。
誰かが家から見ているのか・・?
だが、見覚えのある玄関・・快感に酔いしれていた頭がハッキリとしてくる。
美香はやっと自分がどこにいたのか、斉藤が何故、目隠しをさせたのかを理解した。
そう、ここは自宅の前。数メートル先の明かりが点いた部屋には浩二がいるのだ。
「ハァ・・ハァ・・いやぁぁ・・やめて・・ここは・・いやよっ・・こんなところで・・」
急に頭を横に激しく振り斉藤の肉棒からも逃れようとする。
「ほら・・どうした・・?んっ?イキたかったんだろう?もう我慢しなくていいって
言っただろ?」
斉藤はさらに腰の動きを激しくしていく。
「あの部屋で、旦那はむなしくコンビニ弁当を食ってたんだな・・それに引き替え、お前は・・旦那以外の男の為に料理を作り、今は目の前でその男の肉棒を嬉しそうに咥えてるんだぜ・・」
これこそが斉藤の狙いだった。この為に・・焦らし続けていた。
「いやっ・・いやっ・・言わないで・・お願いっ・・ここはいやぁっ・・」
快感に負けそうな身体で必死に逃げようとするが、斉藤の腰の動きと散々焦らされ続けた身体ではどうする事もできず、一度収まりかけていた絶頂の波が再び押し寄せてくる。
「ふふっ・・これがお前が背負うリスクのひとつだよ。いいか?お前はあの部屋にいる旦那を裏切るんだ・・自分の欲望の為にな・・・・今ならまだ引き返せるぜ。このまま降りて旦那の胸に返りな」
ピタッと腰の動きが止まり最大の焦らしを受ける。
「アッ、アンッ・・雅彦さまっ・・わかりまし・・た・・っ」
クイッ・・クイッ・・と腰を振り快感を欲しがる。
「くくっ・・いい返事だ・・もう戻れないんだぜ・・?」
「ハァ・・ハァ・・か、構いませんっ・・あぁぁっ浩二・・こんな私を許してっ・・」
ガラスの向こうにいる浩二に詫びながら、快感はどんどん強まっていく。
「あぁぁぁんっ・・雅彦さまっ・・いいのっ・・もっと・・もっと突いて・・」
完全に理性を失った美香は半狂乱になり叫び出す。
すると、玄関に人影が・・今開けられたら見られてしまう。
が、すぐに消えた。美香に言われ戸じまりを確認しに来たのだろう。
「ほら・・イケよ・・」
「アンッ・・アンッ・・イクッ・・イグゥゥッ・・イックゥッ・・」
脳天を貫くような・・今まで味わった事のない快感が押し寄せてくる・・
斉藤と美香の腰の動きがぴったりと合う。
「雅彦・・さまぁ・・イッちゃうぅぅぅ・・・アンッ・・・・」
遂に焦らされ続けた身体に絶頂が訪れた。
しかも、今まで味わった最高の絶頂の何倍もの快感だった。
「ハァ・・・・ハァ・・・・」
完全に力が抜けハンドルにもたれかかる。
ただ腰だけがピクッ・・ピクッ・・と鈍い痙攣をしていた。
ただ気持ちよかったからだけじゃない。肉体的にも精神的にも追い詰められた結果、美香は最高の絶頂を手にしてしまった。
ぐったりとする美香をよそにまだ達していない斉藤は続けざまに腰を振りだした。
「俺がイクまでバテるなよ・・」
一度絶頂した身体はさらに敏感になり、斉藤の肉棒を強く締め付け2度目の絶頂に近づいていた。
「アンッ・・ハァン・・すごいっ・・アンッアンッ・・またイッちゃうっ・・アンッ」
今度は水揚げされたばかりの魚のようにピクピクと身体が跳ねる。
「どうだ・・?見られてないとはいえ、旦那のすぐ近くで抱かれる気分は・・?」
斉藤に聞かれても何とも言えない感情にそれをうまく表現する言葉が見つからない。
代わりに・・身体が答えていた。
「アンッアンッ・・またぁっ・・きたっ・・イクッ・・んんんっ」
いとも簡単に絶頂してしまう身体に。
「ふっ・・俺もそろそろイかせてもらおうか・・」
少し身体を浮かせると、さらに深く肉棒を埋め込む。
締め付けてくる美香の秘部に神経を集中し激しく突き始める。
「あぁぁぁっ・・壊れるぅぅぅっ・・奥までっ・・奥まで来てるっ・・」
「ほら、イクぜ・・」
「あぁぁぁぁっ・・きてっ・・熱いの・・・雅彦さまの・・熱いのっ・・ちょうだいっ・・
イグゥゥッ・・」
同時に絶頂した二人。ドクッ・・ドピュッ・・と熱いものが注ぎ込まれる。
今度は斉藤が美香の中に全てを出し切ろうと、水揚げされたばかりの魚のようにピクピクと腰を打ち立てた。
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
さすがの斉藤も興奮と体力を使い息を荒くさせる。
(ふふっ、うまくいったぜ・・)
これで中途半端な関係ではなく、美香は完全に斉藤の手中に収まってしまった。
つづく。
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