~第29話~
「そんなに肉棒が欲しいなら・・俺が入れたくて堪らないくらいの事をしてくれないとな。気持ちよくなってるのは、さっきから美香の方だけじゃないのか?」
確かに一理ある。美香は自分が気持ちよくなりたいが為に斉藤を求め、色んな指示にも従ってきた。
もちろんこれは斉藤の本心ではない。
斉藤は十分に興奮し今でも美香の中に入れたくて仕方がなかった。
が、いつまで経っても肉棒を与えてくれないのは、そこが自分に足りない部分なのだと、
美香を納得させるには十分すぎる発言だった。
事実、斉藤は美香に比べれば与えられた肉体的快感は僅かでしかない。
「あっ・・わっ、私・・」
美香は斉藤に言われて初めて、今日どれだけ自分勝手な発言をしていたのかを思い知り
恥ずかしさと申し訳ない気持ちが一気に込み上げてくる。
(私は・・自分のわがままで浩二を裏切り、そして雅彦さまも利用しようとしていた・・
だから雅彦さまはご褒美をくれなかった・・・)
「ま、雅彦さまっ・・」
このままでは捨てられてしまう。そう思うと、急に悲しくなり瞳が潤んでくる。
美香の瞳を見て黙って見下ろしていた斉藤が口を開いた。
「なんだ?ようやく自分の立場を理解したのか?俺は美香を気持ちよくするために呼んだんじゃねぇ。俺が気持ちよくなるために呼んだんだ。
その意味・・・わかるな?」
斉藤の問いかけに頷く美香。
(そう。私だけが気持ちよくなったらいけなかったんだわ。私は雅彦さまを満足させる為の女。だからイカせてもくれなかったし、肉棒も入れてくれなかったのよ)
完全に斉藤の術中にハマッてしまった美香には何が正しくて何が間違っているのか、
正確に判別する能力さえも失ってしまっていた。
「じゃあ、その気にさせてもらおうか・・」
そう言うとさっきまで美香の秘部や秘豆を弄んでいた右足のかかとだけを床に着けた。
「誰かのやらしい汁がいっぱい付いてるよな・・・舐めてキレイにするんだ」
美香の愛液は親指だけではなく、足の甲にまで到達していた。
美香は自分の顔が斉藤の足に届く様、少し後ずさり両手を床につけ身を屈めた。
まるで猫が器に入れられたミルクを舐め取るように舌を伸ばし、
自分の愛液で濡れた斉藤の指を舐めた。
ペロッ・・ペロッ・・
さらに肉棒を奉仕するようにパクッと親指を咥えて舌で指の腹を舐めていく。
足独特の匂いと愛液の匂いが混ざった、何とも言えない酸味のある匂いが鼻を突く。
それでも今の美香にとっては嫌な匂いではなく、興奮する匂いだった。
斉藤に指示される事なく、足の指1本1本を丁寧に舐め、次いで足の甲も舐めてキレイしていく。
―4年前―
まだ交際中だった斉藤は美香に色んなプレイを強要してきた。
最初は抵抗気味だった美香も自分のマゾ性を開花させられ、それらを受け入れ、
プレイ中は「雅彦さま」と呼んでいた。
時には普通の人はしない場所で肉棒を受け入れたり、時には普通の人は入れない物を
秘部の中に入れられたり・・・その都度抵抗し、受け入れ、スリルと興奮を味わい
斉藤の性の虜になっていた。
そんな美香でも断固として受け入れない事があった。
「美香。ほら、舐めろよ・・・舐めてキレイにするんだ・・」
舌を伸ばし試みようとする美香だが、
「む、無理・・やっぱりこれだけは無理だよ・・どんなに好きな人でも・・
私にもできる事とできない事があるわ・・ううん・・人としてのプライドもあるの。
足を舐めるなんて・・できません」
何度焦らして興奮状態にしてから試しても、斉藤の足の指を舐める事は一切なかった。
そこから少しずつ二人の間に溝が生まれ、やがて離れていった。
それが今、4年の時を経てようやく現実のものになっていた。
(ふっ、これが俺が見たかった光景か・・今のお前にはプライドはないのか?)
一度別れた男の肉棒欲しさに足を舐める美香。
淡々と・・ではない。少しでも斉藤が興奮するように媚びるような目を向けて舌を伸ばし丁寧にやらしく舐めていく。
(わ、私・・何やってるんだろう。付き合ってた時はあんなに嫌だったのに、
愛する人がいるのに・・今は舐める事に抵抗がないなんて・・違う・・舐めるのが
嬉しいなんて)
愛液まみれだった足は、今度は美香の唾液が纏わりついていた。
「んはぁっ・・はぁっ・・雅彦さま・・まだ・・足りません・・か?」
足りないどころか、ようやく叶った願いに肉棒はさらに反り返り、その先からは
涎を垂らしていた。
ただ、美香を完全に堕とすためにはここで我慢をしなければいけない。
単に自分の欲望を満たすために肉棒を美香に与えていてはまたいずれ離れる時がやってくる。
しかし・・・肉体的快感は確かに少ないものの、命令しそれに悩みながら実行し興奮する美香の姿を見て斉藤自身が興奮しているのも事実だった。
今すぐ美香の中に入れて、この熱い肉棒を沈め爆発させたい。
「そうだな・・・そんなに欲しいなら。いいだろう・・・こっちに尻を向けな」
長かった斉藤の許しがとうとう出た。
「はいっ・・雅彦さま・・」
美香は斉藤の気が変わらぬうちにと、すぐに身体を回転させてお尻を高く突き上げた。
やっとの思いで美香は「極上の獲物」を手に入れようとしていた。
つづく
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