~第22話~
コツコツ・・コツコツ・・と、ヒールの音を響かせ、ようやく斉藤の住むマンションに到着した。
エレベーターではなく、階段を使う事にした。
下から誰かが来たら見られる。
さっきの見られた快感がきっかけでそのスリルを楽しもうとしていた。
ゆっくり階段を上がっていく。
人が来る気配はない。
少し残念に思いながらも2階に到着しようやく・・・ようやく斉藤の部屋の前に来れた。
ピンポーン・・・
インターフォンを鳴らす。
「やっと来たか。開いてるぜ。早く入れよ」
斉藤の声が聞こえドアノブを回す。
施錠されてないドアが美香を歓迎する。
「遅かったじゃないか。誰かに犯されたか?」
面白がっている斉藤に少し腹が立った。
「ちょっと、本当に誰かにバレてて犯されたらどうするのよ・・」
慌ててヒールを脱ぐと部屋にいる斉藤の前に行き、ここに来るまで味わった恐怖と羞恥心。そしてなかなか会えなかった怒りをぶつけた。
「まぁまぁ、そう怒るなって。白昼堂々犯す勇気のある男なんかこの日本にゃいねぇよ。
お前の旦那みたいな男がうじゃうじゃいるんだからよ」
と、美香の怒りを皮肉で言い返す。
浩二は・・よく言えば優しい男。悪く言えば臆病者。
当事者にとっては紙一重だった。
美香は返す言葉がなかった。
「それより、どうだったんだ?そんな恰好でしかも下着なしでここまで来た気分は」
美香の怒りをさらりと流し、主従関係を元に戻した。
「えっ・・そ、それは・・」
電話の前では素直に言えるようになったが、斉藤を目の前にするとまだ素直に恥ずかしいけど興奮した。と、言えなかった。
「両手でスカートの裾を持って、捲りな。身体に直接聞いてやるよ」
恋人同士のようなじゃれ合った会話は一瞬で終わり、低い声で斉藤からの命令が下る。
斉藤の声にドキッとしながら、言われるまま両手でスカートの裾を掴みそのまま上へと捲っていった。
徐々に露になる恥毛・・
スカートは完全に捲られ美香の下腹部は丸見えになった。
「ほら、足を閉じたままじゃ確認できないだろう?早く開けよ」
果たしてどこまで自分の愛液が垂れているのか・・
全く垂れてないとは考えられない。それは自覚していたが、それ以上確かめたくなかった。
「・・はい・・・」
ゆっくり肩幅まで開いていく。
「さて、たっぷり確認してやるか・・・」
ニヤニヤした斉藤が目の前まで近づくと、恥ずかしさで目を逸らすように下を向き、
ギュッとスカートを掴む手に力を込めた。
その場でしゃがみこんだ斉藤の視線が下半身に注がれる。
両足の内股に愛液の跡と思われる光の筋が膝まで伸びていた。
「ほぉっ・・こんなとこまで垂らして歩いてたんだな」
そう言うと、愛液が途切れている場所に舌を伸ばし掬い取るように上へと上がっていく。
(え?そんなとこまで濡れて垂れてた・・の?)
美香は斉藤の舌の位置でどこまで垂れていたかを確認した。
(いつから・・?どれだけ・・?もしかしてバスに乗ってた人たち全員に知られてた?)
様々な想像と、斉藤の舌が美香をさらに興奮させ、新たな愛液が筋をなぞるように下へと流れていく。
「あんっ・・んっ・・」
敏感な部分でもないのに斉藤の舌が上へ近づくだけで感じ、声が思わず漏れる。
力が抜けてスカートを離さないようにさらに強く掴む。
斉藤は美香の表情をじっと見ながら、舌を這わせたままどんどん上へと・・
愛液の源流へと近づいていく。
その源流に近づくにつれ溢れだす愛液の量と共に独特の臭いも強くなってくる。
美香は小刻みに震えながら斉藤の舌が一番敏感な部分に触れるのを待っていた。
斉藤は美香の反応を楽しみながら遂に源流に辿り着く。と、割れ目に舌の感触はなく、
代わりに鼻が押し当てられた。
斉藤は愛液で濡れた秘部に鼻を押しつけると、一気に息を吸い込んだ。
クンクンと匂いを嗅ぐのではなく、まるで新鮮な空気が充満した草原で深呼吸をするように・・
「スゥゥゥゥ・・・ン・・はぁぁぁぁ・・・」
美香の秘部から放たれた女の匂いが斉藤の鼻から一気に肺に染み込んでくる。
あまり嗅がれたくないところを思いっきり吸われ、斉藤の反応が気になる。
(く、臭い・・とか言われ・・る?)
いい匂いなどするはずのない場所・・・
(なんて・・言われる・・の?)
「クックッ・・いやらしいメスの匂いがプンップンしてるぜ・・こんな匂いを出しながら
バスに乗ってたんだな・・」
斉藤の声が脳に響く。
(いやらしいメスの匂い・・)
斉藤にそう言われて嫌な気分はしなかった。むしろ斉藤が喜んでるようで嬉しかった。
「そ、そんなとこ・・恥ずかしい・・そんな匂い・・出してません・・」
だが、浩二に対する罪悪感と理性が邪魔をして素直に表現できなかった。
「本人にはわからないんだよ。特に女にはな。周りの男は気付いてたはずだぜ」
肉体的な快感責めではなく、執拗なまでに精神的に責めてくる。
それも美香には効果的でほとんど触られてもないのに、身体が熱くなったまま愛液も
止まらず溢れだしていた。
つづく
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