~第44話~
どれだけ言い訳しようと、間違っているのは自分だと頭で理解はしていても身体は抑える事ができず、このまま斉藤を帰すという今の美香にとって最悪の結末になる事だけは阻止しようと、必死に後ろからスーツを掴み引きとめた。
「雅彦さま・・帰らないで・・お願い・・」
斉藤も本気で帰るつもりなど毛頭なかった。だが寝室という、夫婦にとって一番大切な場所に他人である斉藤はどう踏み込むか。
無理矢理連れて行き踏み込んだのでは面白さに欠け、興奮も半減する。
何より斉藤は少しずつだが確実に従順になり始めている美香の気持ちの変化を楽しんでいた。
だからこそ美香に自分の意思を確認させ、且つ行動させる必要があった。
「いいか?俺の命令は絶対だと言っただろ?次はもう・・ないぜ?」
帰ろうとした時に実際に美香が止めようとするか・・100%の自信があったわけではない。
それがまんまとうまくいった興奮からか、斉藤の声が微かに震えていた。
だが、美香にとってはこの斉藤の行動こそが深みにハマる最大の要因だった。
「ご、ごめんなさい・・もう絶対に逆らったり、躊躇したりしませんから・・・」
美香のスーツを掴む手が震えているのが背中越しに伝わってくる。
「いいだろう。・・で?どこなんだ?案内してくれるんだろう?」
斉藤の言葉を聞き、自分の思いが通じた事に嬉しくなり、思わず両手を前に回し
抱きついてしまった。
「あ、ありがとうございます・・こっちです」
最悪の結末を見事に阻止した美香はリビングを出てすぐ左手にある階段を昇りだす。
斉藤はやらしく左右に揺れる尻肉を眺めながらゆっくりとついていった。
階段を昇りきると左手にすぐに部屋があったが扉が閉まっていた。
「あ、そっちは・・今は客間として使っています」
将来浩二との間に子供ができたら、その部屋を使うつもりだった。
廊下を少し歩いて右手のドアを開けた。
「こっちです・・」
初めて他人を招き入れるであろう寝室。
10畳の洋間に入るとまずはダブルベッドがその存在感を示し、ドレッサーやタンスなどが置かれていた。
「へぇ・・ここで美香は不満の夜を過ごしているんだな?」
浩二は美香を抱くと必ず満足し睡眠に入っているが、対照的に美香はいつも不満を抱いていた。
それが蓄積した事も今この事態を招いた要因の一つだった。
「そ、そう・・です・・」
やはり浩二といつも寝ている部屋に斉藤を入れた事に罪悪感が残るのか、声は沈んでいた。
「ほら、脱げよ。このベッドの上でたっぷりと・・いやというほど満足させてやるよ」
美香の心を察したのか斉藤は早速命令を下した。
「浩二・・ごめん・・ね。でも・・抑えられないの・・」
もう断る事も、少しの躊躇も許されない美香は斉藤には聞こえない声で浩二に謝ると、言われるまま服を脱ぎ裸になった。
少し恥ずかしそうに赤く染まった顔。大きい割には形の良い胸。遠くからでもわかる程硬くなり尖った乳首。きちんとくびれている腰。
そして覆うものがなにもない肌が露出した股間。スラっと細く伸びた足。
「ゴクッ・・」と、斉藤も思わず生唾を飲み込む程、美香は艶めかしくベッドの前に立っていた。
「突っ立ってないで、ベッドの上に四つん這いになれよ・・」
斉藤も邪魔な衣服を脱ぎながら美香に命令をする。
「はい・・雅彦・・さま・・」
いつも自分が寝ているスペースで素直に四つん這いになると、頭を下にしお尻を高く上げ、斉藤が来るのを待っていた。
「ふふっ・・やらしい所が丸見えだぜ・・」
パックリと開いた割れ目はすでに汗をかいたように水滴が目立っていた。
「こんなに濡らして・・そんなにこの場所が気に入ったか・・」
2本の指で割れ目をなぞるようにそっと撫でる。
「あぁぁん・・そんなっ・・」
それだけでこの部屋では上げた事のないような甘い声が漏れ、新たな愛液が斉藤の指を濡らす。
斉藤は中には入れずにただ割れ目を何度も往復しなぞるだけ。
「んん?まだこれだけしか触ってないのに・・」
美香は無意識に斉藤の指に自らの割れ目を押しつけより快感を得ようと腰を動かしていた。
「はぁんっ・・あんっ・・」
斉藤は美香の反応を楽しみながら巧みに一定の距離を保ち愛撫を続けた。
「どうした・・?んっ?これだけじゃ・・物足りないのか・・?」
「も・・物足りません・・もっと・・もっと・・」
浩二との寝室で美香は快感を得ようと必死に斉藤に訴えかけていた。
つづく。
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