あれだけ何度も何度も身体を洗いましたが、それでもまだ微かに、自分の身体からうんちの臭いがしているように感じる私は、香りのキツい香水を多めにふり、
全身に塗り広げました。そして、お尻につめたタンポンを、新しいものに替えました。外出するための服を取りに、二階の寝室へ行きました。いつもスカートが多いですが、臭いがもれやすいと思い、
デニムパンツを履きましたが、ぴっちりと密着しお尻が圧迫されて辛いので、何を着て出ればよいか困りました。結局、
私は、かなり着古してよれよれになった上下のスエットを着ました。下へ降りて
姿見の鏡の前に立つと、見た目を気にしない、完全に自分が女であることを忘れさった、太ったオバサンそのものでした。そんな姿なのに、妙に香りのキツい香水をプンプンさせている自分がいました。今思えば、繁華街で客引きで声をかけて身体を売る、安い売春婦そのものですが、その時は、香水でうんちの臭いをごまかせたことにほっと安心し、人目にどう見えるのかなんて、気にする余裕はありませんでした。身支度を整えた私は、玄関を出て車に乗りました。
普段なら、家から10分もしない所にあるドラッグストアへ行くのですが、万一何かあってはいけないと、できるだけ家から離れた、近所の知り合いに会いにくそうな店へ行こうと車を走らせていると、ちょうどドラッグストアがありました。そこへ入り、私は介護用の紙オムツとタンポン、それと、お尻の穴の腫れを和らげるために、慎重に言葉を選びながら薬剤師に相談し、刺激の少ない抗炎症クリームを買って、足早に店を出て車に乗りました。
車に乗った私は、香を探そうと、香が学校からの帰りに、友達と立ち寄りそうな
ファーストフード店やコンビニ、女子高生が行きそうな場所をあちこち回ってみましたが、香は見つかりませんでした。
学校からは連絡がないので、学校へは登校しているはずなので、今日、うちへ帰ってこなければ、明日の朝、学校の前で待っておこうと思いました。日も暮れ始めていました。私は、家の方へ向かいました。
しばらく車で走ると、渋滞に巻き込まれました。ブレーキを踏み停まってぼんやりしていると、ずっと先の交差点の近くの建物から、何人かの、あまり感じのよくない男たちと出てくる司がいました。
司は男たちと一緒に、車に乗りこんで行きました。私は車を降りて、走っていこうと思いましたが、信号が変わりました。司を乗せた車は、信号を左折しました。すぐにでも追いかけたいと思いましたが、前の車が思うように進まず、結局私は、司の乗る車を見失ってしまいました。とりあえず、私も信号を左折しましたが、もう司の乗る車はありませんでした。私は、その辺りをぐるぐる車で走り、しばらく司を探しました。すっかり夜になり、気がつけば、8時を過ぎていました。私は諦めて、家に戻りました。
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