「ど、どうして…私みたいな…」
「…わかりません。お子さんもいて、年も離れてて…僕が好きって言ったところで、相手にされないと、諦めようと何度も思いました。毎日、会社で、そばにいられるだけで十分だと…そう言い聞かせてました。…でも、もうそんなわずかな望みさえも…富美代さんと離れてしまう…今までみたいに、毎日会えなくなると思ったら…つい…すみません。」
そう言うと、谷本くんは俯きました。涙がぽたぽたと落ちていました。私は、彼の口から私への思いを、意外な形で知り、初めは信じれず、驚き戸惑いましたが、しばらくの無言の時間で、私の気持ちも変化し始め、素直に彼の告白に対して、嬉しい気持ちがこみ上げてきました。私は彼の後ろへ回り、彼の背中に顔をうずめて、
「…ありがとう。」
と小さな声でつぶやき、彼の背中を抱きしめました。谷本くんは振り向くと、私を抱き寄せ、唇を重ねてきました。私は瞼を閉じ、彼を受け入れました。きつく抱きしめ合い、激しく舌を絡ませ合い、
濃厚なキスをしました。しばらくすると、谷本くんは、私の頭や背中をゆっくりと、優しい手つきで撫で始めましたが、お尻の方に手が伸びると、私ははっとして、思わず彼の手を払い、彼から離れました。
「…す、すいません。つ、つい…」
「い、いえ…ごめんなさい。やっぱりいきなりは…こ、これから少しずつ…」
「えっ?そ、それじゃあ…?」
「こ、これから少しずつ、おつきあいしましょ…」
「は、はい!よかったぁ。」
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