電話の受話器越しから突きつけられた、
司から私への強い拒絶に、私は心の支えを奪われ、絶望の深い谷に突き落とされたような気持ちになりました。突然ふりかかった、卑劣な男たちとの悪夢のような地獄を味わい、重くだるい身体から一気に力が抜け、膝から崩れ落ちてその場にへたり込んだ私は、涙があふれて止まらず、嗚咽しながら時間も忘れてただ泣きじゃくりました。
気がつくと、部屋の中は真っ暗になっていました。もう日もすっかり暮れてしまっていました。一瞬、あの地獄の時間が再びフラッシュバックして、不安が頭をよぎりました。私はゆっくりと立ち上がり、よろめきながら部屋の明かりをつけました。急に明るくなった眩しさに
目を細めながら、ゆっくりと目を開けると、自分が自宅にいることがわかりました。身体も自由に動きます。私は念のため、家の中を足音を立てないように歩いきながら、もうあの男たちがいないか確かめました。バルコニーや玄関の前も、
身を隠しながら、そっと注意深く様子を見ました。私以外は誰ひとりいないことに安心しました。香の部屋へ入ると、ものが散乱してめちゃくちゃになっていて一瞬焦りましたが、私がそうしたことを
思い出しました。香はもちろん、やはり司も、私が眠りに落ちていた間も家に戻った形跡はありませんでした。司はどこで何をしているのか、無事でいるのかが気になり、私は階段を降りると、中がぐちゃぐちゃに荒らされたバッグから携帯を探し出すと、司の携帯に電話しました。
『お客様のご都合により、電話をおつなぎすることができません…』
携帯を切り、家の電話でかけ直しました。呼び出し音は鳴りますが、いくら待っても司は出ません。一瞬つながった、と思いましたが、司が電話に出ることなく、切られてしまいました。その後すぐにもう一度、電話をかけ直しましたが、ツー、ツー…と鳴るだけで、司と話すことはできませんでした。もうダメだとはわかっていながら、もう一度携帯を手にして、司へメールをしました。送った次の瞬間に、返信メールがきて、司が受信拒否をしていることがはっきりわかりました。
司はやっぱりあの悪夢の中でも
ずっと耐え続けていたんだわ…
なのに私は…
男たちの言いなりになって
司にあんなひどいことを…
私はダイニングの椅子に座り、テーブルに肘をついて、両手で頭を抱えるように
下を向きました。静まり返った部屋が、
昨日、目を覚ました私が見知らぬあの卑劣な男たちに襲われたことを、より鮮明に思い出させました。私は司への懺悔、心配と、あのおぞましい時間への怒り、後悔で、また涙が流れてきました。
思い出すだけで吐き気がしました。残酷にも、悪夢とは全く逆の部屋の静寂さが、私に追い討ちをかけるように、自分の身体から異臭がする現実を突きつけてきました。私はお風呂場へ行き、服を脱ぎました。部屋着と見たくもない水着を脱ぐと、白いメッシュ地の股のところが茶色くなっていました。はっ、と慌てて姿見の鏡の前に背中を向け、前屈みになり振り向くと、私はあまりの驚きとショックで目を逸らせました。私のお尻の穴の周りが分厚い唇のように赤黒く腫れあがり、ぽっかりと開いたまま濡れていました。私はお風呂にお湯をはりながら、シャワーを出して頭から浴びたまま
、この残酷な現実に、ただ座りこんで動けませんでした。
こんな身体になってしまって、これから私はどうなるの?
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