「こら、こら!」
またも、審判員が俺のところに駆け付けた。
「また、君か……。ズルは、いかん……と言っただろう?」
「でも……、一応血だから」
「血反吐を吐かせる競技なんだよ」
「こんな牝ブタ。丸一日蹴っても、血反吐なんか吐かないよ。だったら、アンタがやってみろよ!」
そう訴えた俺に、審判員は……。
「審判員に、暴言を吐いたな? 日本チーム、この競技は失格!」
またも、そう叫んでレッドカードを提示した。そ……、そんな! ヤスとマサが、修羅の形相で俺を睨んでいる。主任は、呆れて怒る気にもならない……という表情だ。戻りたくないが、観客席に戻らない訳にはいかない。
「何、やっているんだ! おまえは」
「馬鹿野郎!」
彩子さんが居なかったら、俺の指は何本か無くなっているだろう。マユちゃんも……。
「ズルは、駄目ですよ。負けても、正々堂々と頑張れば、みんな分かってくれますよ」
そう言って、俺を諭した。次の競技は、韓国人強姦魔から少女を護る競技だ。決められた時間、襲い掛かってくる韓国人強姦魔から少女を護りきれば良い。強姦されなくても、痴漢行為をされれば減点される。
「姐さん。出番ですぜ」
「姐さんの実力、世界に見せてやりましょう」
ヤスとマサの言葉を受けて、席を立つ彩子さん。各国が順番に競技を行っていて、日本は最後になっている。
ん? 競技場に下りたところで、ヤスとマサが審判員に何か申し出ている。近付いて話を聞いてみると、韓国人強姦魔の数を増やせ……と言うのだ。他所の国は、ひとりかせいぜいふたりだ。
「何人、ご希望ですか?」
審判員の問いに、ヤスとマサは自信満々に答える。
「二〇人でも三〇人でも、いいぜ」
「あるだけ出せよ」
その言葉に、審判員は困惑の表情を見せる。
「無理ですよ。他の競技に使うのも、残しておかないと。それに、女の子が心配です」
「姐さんの実力、知りたくないのか!」
ヤスの怒鳴り声に、審判員は妥協する。
「一〇人が、精一杯です。宜しいですか?」
その問いに、彩子さんは笑顔で返す。
「よしなに」
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