今日は日曜日。昨夜、ちょっと飲み過ぎた。そんな訳で……。安アパートの部屋でひとり、布団の中でズボラな時間を過ごしていた。その俺が、携帯電話の着信メロディでビクッと我に返る。
誰だ? せっかくの休日に……。そんなことを思いながら、手を伸ばして携帯電話を掴む。しかし……。発信相手を確認して、俺は唖然とする。ベトナム女のロアンが、電話を掛けてきたのだ。
何で、ロアンが俺のケータイの番号を知っているんだ? それ以前に……。何で、しっかりと着信リストに登録されているんだ?
自分に問い掛けた俺は、ハッと主任の顔を思い出した。俺の隙を見つけて、そんなことをするのは、主任しか居ない。
無視、無視! ロアンが俺に電話を掛けてくるのは、間違いなく韓国人粛清連合の仕事だ。
せっかくの休日。韓国女になんか、係わりたくない! 今日は、酔いが醒めたら街にでて、デリヘルでマユちゃんを呼んで楽しむんだ。
そう思った俺は、尚も着信メロディを奏でる携帯電話を置き、天井に視線を向けた。しばらくして、着信メロディが鳴り止んだ。よし! これで、ゆっくり休むことが出来る。そう思ったとき……。
いきなり、ドアが激しくノックされる。
「こらっ! 居るんでしょ! 開けなさい!」
聞こえてきたのは、怒鳴るような女の声。流暢な日本語だが、ロアンの声だと分かる。何で、ロアンがここに? 主任が、俺のアパートを教えたんだな。
尚も、ドアを激しくノックするロアン。無視したいが、近所迷惑で俺に非難が集まりそうなので、パンツ一丁のまま布団から出て玄関に走る。
ドアを開けたそこに立っていたのは、やはりロアンである。おまけに……。ガッシリとした体格の中東男と東南アジア男も、背広姿で彼女の背後に控えている。
「悪いわねぇ。お休みの日に……」
笑顔で小首を傾げて、そう言ったロアン。
「そう思うんだったら、とっとと帰れ!」
そう返した俺だが、ロアンの笑みは崩れない。
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