~1章 エピローグ~
翌朝。
気だるい疲労感が抜けないまま理菜が出勤し、いつもの習慣でメールをチェックする。
その中で、ある送信者の名前を見て一気に目が覚めた。
「先日の残業に関する資料とお願い」
「中山さん
お疲れ様です。
表題の件、添付ファイルをご確認ください。その上で社外で打ち合わせをしたいので、仕事後に都合の良い日時を指定してください。
それから、今後の連絡は私物の携帯にしますので、番号とアドレスを返信してください。
よろしくお願いします。」
昨日の狼からだ。
添付ファイルは画像と動画で、ざわざわ開いて確認しなくても内容は瞬時に理解できた。
そして、全ての指示に従わなくてはならないことも。
理菜は憂鬱な気分のまま、要求を一つ一つ、返信メールにしたためていったのだった。
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