「おはようございます。」
仕入れ先が海外との場合、早朝から仕事を開始せざる得ない企業が多く
ある。輸入ブランドが多数を占める「ミストレス」でも、朝は早い。
しかし、今日は特別である。
すでに、早朝から全員が勢ぞろいしているとは、さらに社長の麗華まで
もが、出社し社員を待っていた。
「おはよう。陽子さん、朝からお疲れさま。」
朝から一仕事を終えた、受付を任せる洋子に社長の麗華が、自ら労をね
ぎらい出迎えた。
「あ~んな!通勤電車、もぅ二度と懲り懲りです。もぅ、死ぬかと思
いました。」
「そう、それは大変でしたわね。着替えていらっしゃい。」
「で、肝心の誠司は?一緒ではないの」
麗華の予想に反し、陽子一人の出社に麗華は質問した。
「だって!側に居られると、牡汁臭いもの。捨ててきました。」
「あはは、そう、でしたか。」
屈託のない、陽子の返答に苦笑いし、見送った。
「おはよう~陽子ちゃん!」「おはようございま~す。」
「おつかれ~!」「おはようございま~す。真弓先輩!」
あちら、こちらから朝の挨拶の声が掛けられる。陽子は、皆に挨拶を返
しながら、着替えのために更衣室へ向かう。
全身の力の全てを一点に集中し、雄叫びとともに射出の時を迎えた誠
司は、全身の撃ち奮えと二打目、三打目の射出を、快楽の海の底で感じ
た。頭の中は、まだ快感と言う霧で覆われている。
車内アナウンスの雑音と、雪崩れ崩しに押し潰された乗客の絶叫に。
誠司の雄の雄叫びが重なり、車内でこのような痴態が行われていようと
は、誰も思わなかった。
快楽という波が、潮が引くように治まりを見せたとき、誠司は粗方の
乗客が片付いたホームに、足腰から力が抜けたまま立っていた。
思考回路が回復するにつれ、自分の痴態に羞恥の念が沸き起こった。
意識を取り戻した誠司は、いままで側にいた彼女の目をきにしたが、そ
こに、彼女の姿がない事に安堵の表情をうかべた。
しかし、誠司には困ったことが起こった。大量の淫水の上に、さらに
射出された牡汁で、スラックスの股間部は、明らかにお漏らしの痕を窺
わせていたのである。
途方にくれる誠司だったが、この場に何時までも佇んでもいられな
い。急いで駅のトイレを目指し歩みを進めた。
誰の目にも触れさせてはならぬと、最大限の努力を股間の隠蔽に努め
る誠司だった。
総合輸入商社 ミストレス
受付 大迫 陽子
※元投稿はこちら >>