朝の喧騒は何処の駅もおなじか。そんな、人で溢れかえるホームで
今日も誠司は、電車を待っていた。
と、人と人の陰から。笑顔で小さく手を振る女性を見つける。
女性は、人込みを掻き分け誠司に近づいてきた。
「おはよう~ございま~す。」ペコリと、お辞儀する女性を見て
誠司は、誰であるかを思いだした。
「やぁ!貴女でしたか。おはようございます。」
精一杯の笑顔で、挨拶を返す誠司 だった。
「普段、制服しか見かけませんから、誰かと思いました。」
まだ、幼さが残るその女性が、スーツ姿に変わるとこんなにも変わるも
のかと、誠司は感じた。
「誠司さんも、この駅を利用ですのね。」
朝の憂鬱が、天国に代わった気がする誠司だった。
電車の到着を待つ、僅かな時間に交す会話。
ほどなく、電車がホームへと、すべり込んできた。
電車の扉が開くと同時に、我先にと電車に流れ込む乗客に押され、
誠司達も、車内に押し潰されながら乗車した。
毎朝の事とはいえ、人と人とが密着を余儀なくされ、自分の意思では
身動きさえ取れぬなか、幼顔の彼女を守ろうとする誠司だった。
どこをどう押されてきたのか。辿りついた先は、乗車した扉とは反対側
のドアの前だった。彼女も無事にはぐれず、乗車できた。
半身で構える彼女の髪が、誠司の顔の前にある。
洗ったばかりのシャンプー・リンスにまざり、ほのかに甘い女性の香り
が、誠司の鼻穴から脳髄に刺激をあたえた。
人と人との圧迫も、ひと段落ついた時、電車はホームを離れた。
見知らぬ人と人との圧迫は避けられた誠司だったが、困った事が起こっ
た。半身で対峙をする彼女のショルダーが、誠司の股間にあたる。
何とか逃れようと、心みるが。一向に離れる様子がなかった。
満員電車の車内で、女性の体を楽しむ輩が横行する中、あらぬ疑いを回
避する為、誠司は両腕を頭上に手すりに捕まるように上げていた。
革ショルダーの硬い感触が、誠司の鼠径部を絶え間なく刺激した。
電車の振動によるものなのだろうが。誠司には困った事が起こる予感が
した。さらに、目の前にいる同じ会社に勤める女性が発する牝のホルモ
ンが、誠司の股間に拍車をかけた。
陰茎根から精巣にかけての刺激に、誠司の男根が本能的に反応し始める
には、時間は掛からなかった。
「うっ!」危うく声になるのを堪えた誠司だったが、流れ込む血流を
抑えることは出来なかった。
なおも、治まらぬショルダーの刺激に、ただ堪える事しか術の誠司。
先走りの第一陣が、迫っていてた。
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