ドン!ドン! 「まだ、着替えられませんか~。」
スカートを渡され、更衣室に押し込まれた誠司が、なかなか出て来ない
水を零した事で、誤魔化し。後で、安いズボンでも購入するつもりだ
った誠司は、社長麗華の一言で、あらぬ展開となり動揺していた。
まさか、自分がスカートを履くはめになろうとわ。
更衣室に入り、汚した下着は履き替えたが。スカートは、躊躇われた。
しかも、その姿を皆に、晒すことになる。女性ばかりの中で、男の自分
が、スカート姿で仕事をする自分を想像すると。羞恥心で居た堪れない
プライドも、ズタズタである。
ドン!ドン!ドン!再び、催促が来る。
「いつまで、待たせる気ですか!」
「すいません。履き慣れないものですから。」
もう、猶予は許されない。諦めてスカートに、足を通した。
「今日、一日の我慢だ!」そう、自分を慰めた。
腰骨は、難とか通ったスカートだが。み、短い!
渡されたスカートが、まさか!これほど裾長けが短いとは。
膝上どころか、股下数センチ。むだ毛の多い足の全てが露わになる。
普段、隠すべき処が、白日の下へ晒されると、こうも不安で、落ち着か
ぬものか。今の自分を想像すると、誠司は惨めな気持ちに、さいなまれ
た。
バタン。とうとう誠司が、更衣室から出てきた。
皆の視線が、一斉に集まる。
だいの男が、まさか本当に、女のスカートを履くとは。
しかも、股間さえも辛うじて隠れるスカートを。
あまりに、惨めなその姿は、まさに滑稽の何物でもない。
皆、笑いを堪えるのが大変だった。
苦笑の声が聞こえる。皆の視線を感じる。羞恥で、体温が上がる。
居た溜まれぬ気持ちで、その場から一刻も早く、逃げ出したかった。
「とうとう、履けたね。あはは、さぁ、社長がお待ちよ。」
幼顔の陽子が、今は悪魔に見える。誠司だった。
※元投稿はこちら >>