浩介は電気を付けて、エレナを見ない様にして前に跪いた。エレナの下半身が裸だ
ったからだ。もちろん頭は床に擦り付けている。
「顔をあげなさい。」エレナの命令に浩介は小さく返事をして素直に従うが、目の
やり場に困っていた。
「顔を上げた時は、あたしの目を見るのよ、勝手に逸らしたりせずにちゃんと見な
さい。基本よ、ウフフ。」
浩介は慈悲を乞う様な目でエレナを見る。化粧を落としてもエレナの美しさは変わ
らない。命令で無ければまともに見られない。
逆にエレナは蔑む様に浩介を見ている。組んで浮いた方の足で、浩介の顎の辺りを
触っている。
「今迄見ていたけど、お前は自分の立場を良く理解しているわ。それは良い事よ。
これからもあたしを第一に考えて、どうすれば喜ぶの
かを考えて誠心誠意尽くしなさい。くれぐれもあたしを怒らせない事よ。もう奴隷
なのだから酷い事をされる覚悟がいるわよ、ウフフ。」
エレナは言いながら浩介の顔の造形を足裏でなぞっている。まるで確認作業をして
いる様だ。
「はい、解りました。」浩介は顔を足裏で嬲られる心地好さに、それしか返事がで
きないでいた。
「服従のキスの仕方を教えるわ。お前はさっき背中が痛いし具合も悪いって言って
いたけど、あたしを敬う気持ちがあれば治る筈よ。」
そう言ってエレナは、浩介の顔の前に足の裏を突き出した。
「はい、よろしくお願いします。」そのエレナの足裏を見ながら浩介は、打って変
わって真剣な面持ちで答えた。
「ウフフ、これは認めた奴隷にしかさせていないわ。その中にお前も入れるのよ。
光栄なのかしら、フフフ。」
言いながらエレナは浩介の顔にペタリと足裏を密着させ、柔らかく踏みしめた。
「光栄でふ、エデナだま、あびがどうございまぶ。」口を圧迫されながら、浩介が
返事をする。
エレナは踏み付けていた足を引き、浩介が足裏と対峙する格好にした。
「足の裏へ十字にキスをするの、最初は右そして左、それから上にして最後は土踏
まずに顔全体を押し付ける様にしてするのよ。特に
最後のキスは時間をかけて足裏と同化するつもりでやるのよ。お前の顔だったら最
後のキスは踵の上のとこぐらいで丁度良いかな。」
エレナは浩介の顔の前で、自分の足裏を移動させながらポイントを教えた。そして
続ける。
「これはあたしが命じた時と、お前がしたい時にあたしが許した場合だけさせてあ
げるわ。キスをせがめるのは奴隷の特権だからね。」
エレナの話に浩介は嬉しい思いでいっぱいだった。自分からエレナに願う事ができ
る身分に昇格したのだ。
何度エレナの足裏にキスしたいと思っただろうか。でも立場を鑑みると、言い出す
事ができずにいた。
「エレナ様、有難うございます。本当に嬉しいです。」自然に感謝の言葉が浩介か
ら出た。
浩介はエレナに構われている今、痛みや具合の悪さは気にならないでいた。でも痛
く無いといえば嘘になるし、具合も良くは無い。
しかし、それが本当に治るのであろうか、エレナが治る筈だと断言したこの儀式
で。
浩介も足裏に対して祈っていたのだが、気を紛らわしていただけだったのかもしれ
ない。
もし治らなかったら、エレナに忠誠心が足らないと叱られるのではないだろうか。
浩介は医学的には何の根拠も無い、この神秘的な儀式の効力に、どう対応して良い
のか解らずにいた。
いや、ご主人様が言っているのだから、自分が信じなければいけないのだ。
そう固く信じて、エレナの美しい足裏を直視したのだった。
「痛みが治まる様に、この足の裏に祈ってごらんなさいな。祈り終えたら浩介、お
前はあたしの奴隷よ、服従のキスをおし。」
エレナの言葉に浩介は身震いする様な戦慄を覚えた。奴隷となって最初の儀式でも
ある。
胸の前で手を合わせて目を瞑り、エレナの足裏に向かって祈った。体中から熱が逃
げていく様な気がしていた。
浩介は目を開けた。目の前にはエレナの足裏が揺れていた。「エレナ様ぁ。」浩介
が呟いた。
右、左、爪先、そして顔を埋める様にして踵に、1・2・3・4・5・・・ 土踏
まずに10秒程の時間を使い、顔を擦り付けていた。
浩介は体中の痛みが麻痺していくのを感じていた。精気が津波の様に押し寄せてき
ている。
全身を快感に包まれながら、堪らずに射精してしまっていた。
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