「さてと、食べたわね。浩介君はお腹いっぱいになったのかしら。」エレナがワイ
ングラスを空けてから浩介に聞く。
「はい、もう食べられません。美味しかったです。」元気良く浩介が答えた。
「そう、じゃあお会計してくるから待ってて。それと明日の朝食はパンでいいわよ
ね。」そう言ってまた部屋を出て行った。
しばらくしてバスケットに入ったパンが運ばれてきた。焼きたてで香ばしい匂いが
する。土産用に梱包してある。
オーナー室では、机に座ったエレナの前の床に、オーナーが跪いている。
「今日は帰るから無しね。」エレナの言葉にオーナーは涙を流して何かを訴えてい
る。
「だってまだ消化してないでしょう。それにさっきオシッコあげたでしょう。」
エレナはあのメニューを食した後には必ず与えていた。
オーナーもそれがあるからこそ、心を込めて消化に良い食材を使い、エレナにスペ
シャルメニューを作っている。
今日も2ヶ月ぶりにエレナが顔を見せてくれ、少しは構って貰えると期待していたの
だ。
次はいつ来てくれるのか解らない。そもそも最近は呼び出してもくれない。
エレナの事を考えると気が狂いそうになるのだった。
「いいのよ、我侭言うんだったらそれでもね。」エレナの性格は知っている。ここ
で縋ると逆効果だった。
「とんでもございません、エレナ様、今日は有難うございました。それと最初に不
手際がありまして、申し訳ありませんでした。」
オーナーは泣きながらも、エレナの気分を害さぬ様に、努めて普通にお礼の挨拶を
した。
頭を擦り付けた床の絨毯が汗と涙でシミを作り、それが広がっていく。
「また来てあげるわよ。それとお前また優勝したの。」エレナはリビングケースの
中のカップを見ながら言った。
「連覇しました。全てはエレナ様のおかげです。」オーナーはそう返事をした。
実はこのオーナーは、エレナと出会った当初は華奢だった。
エレナがその気で責めるとすぐに気を失い、エレナが呆れたのも1度や2度では無か
った。
オーナーはエレナの責めに耐えられる体を作ろうとジム通いを始めた結果、今やボ
ディービル界の大御所にもなっていた。
優勝カップは先月の国際大会優勝の物だった。カップの直径は50センチくらいあ
る。
「良かったわね。ウフフフ、お祝いをしてあげるから、カップを持っておいで。」
エレナが優しく言った。
オーナーはケースからカップを取り出しエレナの元に運ぶ。いったいどうするのか
オーナーには解らない。
「カップの中に出してあげる。お前はそれをお飲みなさいな。どう、ウフフ。」エ
レナの含み笑いにオーナーは歓喜した。
もうこのまま帰ってしまわれ、またしばらくお会いできないと覚悟を決めていたの
に思いがけないご褒美であった。
「有難うございます、エレナ様。最高のお祝いでございます。」言ったオーナーの
目からは涙が溢れていた。
エレナはカップを跨ぎ、勢い良く放尿する。オーナーは頭を擦り付けたまま、感涙
にむせいでた。
エレナは後始末をさせようとも考えたが、オーナーは顔中ビショビショだったので
やめた。拭いたティッシュもカップに入れた。
「じゃあね、ごちそうさま。ゆっくり楽しみなさいな。」そう言ってエレナはオー
ナー室を後にした。
その背に向かってオーナーが、泣きながらお礼の言葉を言っていた。
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