顔を上げた浩介に、エレナが仮眠用の目隠しを渡す。
「さあ、どこまで従順だか試してあげるわ、でもあたしが満足できなかったら捨て
るわよ。」
浩介は目隠しを付けた。いきなり衝撃が顔面を襲った。蹴られたみたいだ。衝撃で
倒れ込む様な一撃だった。
「お前返事はどうしたのよ。嬉しくないのかしら。嫌なの、嫌なら止めるわよ。」
言いながら倒れた浩介の頬をエレナは踏み躙った。
浩介は目隠しをしていて、どこにどう倒れたのかも解らない。ただ頬に掛かる荷重
で、エレナの怒りだけが認識できた。
「ヒィー、ごめんなさい、エレナ様。ちゃんと返事しますから許して下さい。お願
いします。」浩介が謝る。
「そのまま仰向けになって、顔を上に向けなさいな。」エレナの命令だ。そして頬
から荷重が消えた。
浩介はすぐに言い付けに従う。すぐにまともに顔面への荷重が復活した。
「お前は忘れている様だからね。お前とあたしとはこんな関係なのよ。どう、思い
出したかしら、フフフ。」
エレナは言いながら、まともに浩介の顔へ全体重を掛けて片足で載った。
堪らないのは浩介の方だ。今迄経験した事の無い程の痛みが、頭と顔面を襲ってい
る。頭が潰れそうな重量が掛かっている。
おまけに鼻と口も足裏で塞がれ、呼吸もできないし言葉もしゃべれない。許しを請
う事もできないでいたのだ。
呼吸ができずに気が遠くなる。痛みを通り越して気持ちが良くなっていった。再び
勃起しているかもしれなかった。
堕ちかけた時にやっとエレナが顔の上から降りた。でもしばらく浩介は動けないで
いた。
「目隠しを取ってごらん。」エレナが静かに言う。その言葉に浩介は我に返った。
言い付け通りに目隠しをとった。部屋の中央まで蹴倒されていたらしい。頭全体が
まだズキズキしている。
エレナを探すとベッドに座っていた。いつもの様に優雅に足を組み、こちらをじっ
と見ている。
しかしその視線は刺す様に鋭く冷たかった。浩介は慌ててエレナに詫びる。
「ごめんなさい。立場を忘れてエレナ様に不快な思いをさせました。許して下さ
い。ごめんなさい。」
浩介は頭や顔が痛い事を、気にする余裕も無かった。ただエレナに許して貰おう
と、必死に頭を擦り付け謝った。
「そんなんであたしの気が済むと思っているのかしら。お前はすぐ忘れるみたいだ
から罰が必要ね。」冷たくエレナが言う。
「本当にごめんなさい。どんな事でもしますから許して下さい。お願いです、エレ
ナ様。」縋る様に浩介が言った。
「解ったわ、じゃあ付いておいで、四つんばいでね、フフフ。」そう言うとエレナ
はリビングの方に戻った。
浩介も後を付いて行く。リビングのケースの中からある物を取り出した。木下が用
意した物だった。使って欲しかったのだろう。
エレナはそれを振る。ビュっという風切音が聞こえる。細くて固そうな乗馬鞭だ。
エレナは浩介を見ながら笑っている。
そしてもう一本、猛獣に使う様な鞭が取り出された。エレナは立ち上がり、浩介の
目の前の床にそれを打ち付けた。
バッチィーン・・・。ビュウワァっという風切音の後で、凄まじい音が鳴る。
浩介の顔から血の気が引いた。本当にあれで叩かれるのかと思うと不安だった。
もちろん経験など無いし、どんな衝撃なのか・・・、想像すらできないでいた。
「あたしの方にお尻を向けて高く上げなさい。お前の体を試すのよ。あたしの自由
にしていいのよね、あはははは。」
エレナの残酷さが出ている様な笑い方だった。本気で浩介を甚振るつもりでいる。
しかし浩介には、エレナに逆らう気持ちは無い。逆にエレナの気の済む様に罰を受
け、早く許して貰いたかった。
「は、はい、罰を受けさせて下さい。」半分涙声だがきちんと返事をして、エレナ
の方に尻を向けて覚悟を決めた。
「あはははは、お前も可愛いとこあるわね。でも痛いわよ、耐えられるかしら、ウ
フフフ。」エレナは言いながら足を踏ん張る。
ビシィ~、一発目が浩介の背中に炸裂した。焼き鏝を押し付けられた様な痛みが、
浩介の背中を襲う。
「ギャー、許して、許して下さい。」それは小学生の我慢の限界を超えていた。浩
介は転げ回って痛がり、許しを請うた。
しかしエレナは許さなかった。浩介の哀願を無視して、鞭を打ち続ける。
ピシッ、ピシッ、ビシィ~、ビシィ~、ビシィ~、転げ回る浩介に、エレナは容赦
しない。無慈悲な打音が刻まれる。
肩、背中、脇腹、尻、足、至るところに鞭が炸裂する。エレナは笑いながら鞭を振
るう。家畜を躾けるがごとくに。
最初は大声を上げて痛がり、転げ回った浩介だったが、その力もだんだん無くなっ
ていった。
特に背中の蚯蚓腫れが酷く、背中が真っ赤だ。腫れた部分の皮膚が破れて、何箇所
か出血もしている。
浩介はもう痛みを感じなくなっていた。ただ時折新しい箇所へ当たる鞭の痛さで、
辛うじて気を失わないでいた。
100発は軽く受けただろうか。もう浩介には動く気力も無かった。
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