浩介は部屋に戻った。鏡を見ると唇が腫れて捲れていたし、鼻血も出ていた。頭も
まだクラクラしていた。
でも全ての痛みがエレナから構って貰った証だと思うと、なぜだか心地良かった。
痛みや腫れが消えるまでは、エレナとの関係を実感できると考えた。
ふいに疑問が浮かんだ。「エレナ様はどこで寝るのだろうか。」独り言の様に呟い
た。
自分には自室のベッドが有る。しかしご主人様は、まだこの家の事を何も知らない
筈だった。
考えると居ても経ってもいられずに、エレナの居るリビングに浩介は戻った。
エレナはソファーに座り、デパートで貰った新作紹介のカタログ雑誌を見ていた。
いつ見ても優雅な佇まいだった。ソファーに深く座り長い足を惜しげもなく組んで
いる。邪魔になりそうな足の長さだ。
日本人離れした膝から下の長さが、美術品の様なラインを描いて浩介を悩殺する。
浩介は当然の様にその足元に跪く。エレナが組んだ足に頭が当たらない様に、横か
ら足下に頭を入れ、床に擦り付ける。
「どうしたのかしら、まだ何かあるの。」エレナは当然といった感じで足を動かさ
ず、自分の足に頭が隠れた浩介に聞いた。
「エレナ様がどこでお休みになるのか、気になっています。もし宜しければご案内
したいです。」浩介が答えた。
思いがけない浩介からの提案だった。エレナは一晩くらいならソファーで眠るのは
厭わない。研究室で慣れていた。
「ここで寝るわよ。大学ではいつもソファーだから、一晩くらいは問題無いわ。で
もお前はどこに案内しようとしているのかしら。」
エレナはソファーで寝るつもりだったが、気を使っているこの新しい下僕に、どう
してほしいのか試しに聞いてみた。
「この家にベッドは僕の部屋しかありません。宜しければそこで寝て下さい。僕が
ソファーに寝ます。」浩介が答える。
エレナは幼いながらも、自分に対して気を使う浩介に、悪い気はしなかった。
「あたしに寝てほしいのかしら、お前のベッドに。だったらそうお願いしてごらん
なさいな、フフフ。」
わざと意地悪く返してみる。言いながら浩介の頭を、浮いた方の足裏で撫でてい
た。
「はい、エレナ様、どうかソファーでは無く、ベッドでお休み下さい。すぐにシー
ツとか取り替えますからお願いします。」
後頭部を撫でるエレナの足裏の感触に感激しながら、浩介が床に顔を埋めてお願い
した。
「そうしてあげても良くてよ。でもその前に、お前の忠誠心を確認するわ。顔を上
げなさい。」
エレナのその言葉に、浩介はすぐに顔を上げた。その浩介の両肩に、エレナは両方
の足を各々載せた。
「寝る前にお前の舌を使うわ。これは命令よ。そしてウフフ、色々とお前を試して
あげる。」
エレナはそう言うと、右足の裏を浩介の顔に当てた。そして少しずつ力を入れる。
浩介にとっては予期できない事だった。さっきは許して貰えなかった足裏に、今顔
を踏まれている。
「ううう、エレナ様、有難うございます。」礼を言いながら、感激の涙が止まらな
いのを感じていた。
「舐めては駄目よ。あたしの足と同化させるつもりで、お前の顔を押し付けなさい
な。ほら、もっとよ。」
言いながらエレナはグイグイと足裏を押し付ける。浩介は下腹部が焼ける様に熱く
なっているのを感じた。
浩介には初めての経験だった。オシッコが出そうな感じだが、言い様の無い波が押
し寄せている。
浩介は涙まみれの顔を、自分からエレナの足に擦り付けた。完全に陶酔している。
「エレナ様、何か変です。僕どうして、ううう、どうしてこんなに、ああ、うっく
っくぅ~。」
下半身の力が抜けて、下腹部に言い様の無いしびれが来る。浩介は生まれて初めて
の射精を味わったのだった。
「あはははは、汚いもの出したわね、ウフフフ。お前ちょっとズボン脱いでごら
ん。」顔の上の足はそのままで、エレナが言った。
「ふぁい。」口がエレナの足裏で塞がっていたが、辛うじて返事をし、浩介はパジ
ャマのズボンとパンツを一緒に脱いだ。
「フフフ、ちゃんと出てるわよ、すごい量だわ。お前、自分が変態なのが解ってい
るのかしら。」エレナが意地悪く言った。
浩介は顔をエレナの足裏で押されていて、自分の下腹部を見る事ができないでい
た。どうなっているのか不安だった。
「ほら、見てごらんなさいな。」エレナが言って、浩介の顔を蹴る様に足裏を外し
た。
浩介はオシッコを漏らしたとばっかり思っていたが、床は濡れていなかった。その
代わり見た事もない液体でパンツが濡れている。
少しドロっとしたその液体は、独自の匂いが鼻についた。男根は、まだまだ萎える
様子も無く、脈打っている。
見上げたエレナは、勝ち誇った様に微笑んでいた。
「いっぱい出たわねぇ、ウフフ。変態坊やの初射精は、あんよで踏まれて逝きまし
た。あははは。」エレナが声を上げて笑った。
心の底から笑いながら、蔑んだ視線で浩介を見つめていた。
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