「エレナ様、本当に有難うございます。」しかし男は安堵した。
一応は満足して貰えたからだ。一層強く床に頭を擦り付け、お礼の言葉を言った。
男はやっとの思いで出たエレナの許しに、体中の力が抜けていた。体中が冷や汗で
ビッショリになってしまっていた。
「ほら、5秒よ。」エレナが足の裏を男に向けながら続ける。「お前は立場が解っ
ている様だから、特別にご褒美をあげるわ。」
男はエレナの言葉に驚いたが、夢なら覚めるなと願った。ゆっくりと顔を上げてみ
る。
目の前に突き出されたエレナの美しい足裏があった。
「今回は特別に足の裏を許してあげるわ。うふふふ、でもさっき洗ったから匂いは
無いわよ。それと舐めるのは駄目。」
男がエレナの足裏に口を付けるのは、遠い昔に1回だけ目隠しをされ、ほんの1~2
秒の間許されただけだった。
何をされたのかも解からなかったのだが、あとでエレナに笑われながら、足裏を与
えられたのだと聞いた。
だからこの極上の褒美に、すぐ行動に移せないでいた。まだ信じられないでいた。
目の前に広がる、エレナの足裏をじっと見つめている。心臓が爆発しそうだ。
この美しい足裏に口付けできる名誉を授かったのだ。
「どうしたのよ、時間無くなるわよ、お馬鹿な準備屋さん。ふふふ。」そう言って
男の顔を、少し邪険に足裏で蹴った。
エレナに蹴られ男は我に返った。
「はい、ああ、幸せです。有難うございます、エレナ様。」言い終わるや否や、厳
かな儀式の様に、敬虔に唇を寄せた。
唇が足裏に触れる。さらに顔全体を押し付けた。至福の時間が過ぎる。
「うう~。」男が呻いた。何と射精してしまっていたのだ。
突然顔面を強く蹴られ、男は無様にひっくり返った。
股間の部分は、これ以上無い位に張っている。そしてズボンに怪しいシミがある。
しかし、まだ5秒は経っていない筈だ。蹴られた顔が痛むが、不思議に思いエレナ
の方を見た。
刺す様な目で見られていた。
「何よ、お前の顔。脂ぎっていて汚いわ。あたしの足が汚れたじゃない。せっかく
シャワー浴びたのに馬鹿。やっぱり使えないわね。」
自分の足の裏を見ながら、さも不快そうにエレナが言った。
「申し訳ありません、エレナ様。申し訳ありません。」すぐに男は跪いた。
「あとそのズボンのシミは何よ。お前まさか逝っちゃったのかしら。」
意地悪な質問をエレナがした。男は答えられない。
「あははは、哀れだわねお前は、足の裏で逝くなんて。こんなのがそんなに興奮し
たのかしら。」
男の頭の上で、自分の足首を回しながらエレナが笑った。
「久しぶりにエレナ様に構っていただき、我慢できませんでした。不快な思いをさ
せて、本当に申し訳ありません。」
顔を床に押し付ける様にして男が詫びている。
「あははは、お前はちゃんとご褒美を、満喫できたって事じゃない。良かったわ
ね、早漏ちゃん。」
小馬鹿にした笑いと共にエレナが言う。
「本当に申し訳ありません、エレナ様。許して下さい。」男は立ち上がれないでい
た。泣いている様だ。
「仰向けに寝てごらんなさいな。」ふいにエレナが言う。
男は訳が解らなかったが、その指示に素直に従った。
「ご褒美の時間、全部使い切ってなかったわよね。フフフ、しばらくお前には、罰
としてご褒美あげないから、思い出をあげるわ。」
エレナはそう言って、さっきとは違う方の足を、男の顔の上に翳した。
「哀れな早漏ちゃん、ほら、足の裏よ、忘れるんじゃないわよ。」
蹴る様に足を振り下ろし、そのまま顔を正面から踏み躙った。
男は痙攣し、2度目の射精を行った。ズボンのシミが広がっていった。
エレナにとっては、どうせシャワーを浴び直すつもりでいたから、ついでのお慈悲
だった。時間にして2秒といったところか。
それでも男は逝ってしまった。体をヒクヒクさせている。
1度目と2度目を足しても5秒程度しか掛かっていない。「哀れな奴ね。」エレナが
呟いた。
「もう用は済んだわ、お下がり、帰るのよ。」冷たくエレナは言い放ち、男を急か
した。
男はまだ動けないでいる。放心状態で陶酔している。
「ほら、もう一度足を洗ってくるから、その間に帰っておくのよ。」エレナは立ち
上がり、男が跪く場所を、足で叩いている。
男がやっと起き上がり、最後の挨拶の姿勢をとった。
「エレナ様、有難うございました。忠誠を誓いますから、また使って下さい。お願
いします。」頭を擦り付け挨拶する。
男の従順な態度に、エレナは悪い気はしていない。それどころか短時間で2回も射
精したこの男に哀れみまでもを感じていた。
「最後にあたしの足を置いていた床にキスするのを許してあげる。それが終わった
ら帰りなさいな。ズボンはそのままでね。フフフ。」
エレナはそう言ってシャワーを浴びに行った。
男は言い付けを忠実に守り、床に敬虔なキスを捧げ、一礼して部屋を出て帰ってい
った。
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