浩介はいつも孤独だった。甘えたいのに甘える人物がいない。
夜も一人きりが多くなり、食事もコンビニとかで適当にすませ、自室に閉じこもっ
た。
ゲームに没頭し、朝が来るまでのめり込み、学校も休みがちになっていく。昼夜逆
転の生活である。
当然成績も下がり、もともと賢かった自立した息子は、両親にとって責任を押し付
け合う問題児になっていった。
その上不規則な生活がたたり、体重も落ち病人の様だった。
成長ホルモンの変調の為か、育ち盛りだというのに身長も伸びない。顔に覇気もな
かった。
現在でも150センチにも満たない彼の身長は、この時の影響もあるかもしれない。
あくまで「この時の影響も・・・」であるが。
浩介が小学校5年生の時、自宅に住み込みの家政婦がやってきた。
太田ノブ子といい、お世辞にも美人とはいえず、太っていて背も低かった。容姿で
いえば誰にも相手をされない女であろうか。
秋田から中卒で出てきたが、就職した会社の倒産があったりして、苦労が滲み出て
いるタイプかもしれない。
実際は23歳だが軽く30歳は越えている様に見えた。およそオシャレとは無縁の女だ
った。
太田ノブ子は、浩介の両親が食生活の改善と、規則正しく生活させるお目付け役に
雇ったものだ。
当然浩介に対して、生活面での小言を言ってくる様になった。
初めの内は割と素直に言う事を聞いていた浩介だったが、1ヶ月もすると太田ノブ子
をもじって、太ったデブ子だと反発した。
反発は次第に激しくなり、たまにではあるが手を出す事もあった。
浩介の方は暴力を振るった後に若干の後ろめたさはあったが、そもそもブサイクな
女は人間扱いしたくなかった。
いつも温かな食事ができるのは、ノブ子の仕事だから当然だと思っていたし、ノブ
子の代わりはいくらでも居る。
選択権を持っているのは自分の方で、ノブ子は雇われ女中だ。ご主人様は自分でノ
ブ子は奴隷なのだ。
浩介はそんな考えでいた。
どんどん暴君的に振舞っていったし、ノブ子に対して苛めを行った。
家に出入りの挨拶をしていないと玄関のたたきに土下座させたりもしたし、ミスを
見つけては責め
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