契約彼女6‐9
家へ戻ると、首輪を巻いた友恵が出迎えた。
帰る旨をメールしたことで、彼女が準備をしたのだろう。
俺はもう驚かなかった。
今は吹っ切れてしまっていて、この時は、まだ壊れた部分を修復できていなかったのだった。
そう……きっと、俺の方がコワレテいたんだ。
「ただいま」
「お帰りなさいませ……」
友恵は地に這っている。
立つよりも楽なのだろうが、そんな理由で這いつくばっているのではないことは承知している。
俺と一緒に来た美佳は、多少驚いていたようだが。
友恵の方は恥ずかしそうにしているだけで特に驚きはしていない。
美佳が来ることも伝えていたからだろう。
「エサ買ってきたぞ」
コンビニの袋から春雨スープとサラダ、別売りドレッシングを取り出し、机に置いた。
「ありがとうございます……」
尻をくねらせ、友恵は礼を告げた。
「美佳、もう飲んでいいぞ」
暫くして、喉の鳴る音が聞こえた。
買い物をしている間ずっと口に含ませていた精液が、胃の腑へ落ちた瞬間である。
ちなみに美佳には金を渡し、会計をさせた。
「次はどうするんだ?」
俺に促され、美佳は衣服に手をかける。
まだ明るい室内で、着ぐるみを取り除いていく。
そんな彼女を横目に
「餌の時間まで可愛がってやるからな」
と友恵の頭を撫でてやった。
俺は壊れていた。
複数の偶然と運命が、今の状況を導いたのかもしれない。
深く考えるのは面倒な上に、目の前の快楽が俺を盲目にさせていく。
でも、このままではいけない。
このままでは、大事なものを失ってしまうかもしれない。
それを俺に教えたのは、意外な一通のメールだった。
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