契約彼女3‐3
煙草吸う奴は何故か珈琲好きが多い。
煙草を吸うと珈琲が、珈琲を飲むと煙草が欲しくなる。
男は女を求める。
それは本能であって、中でも生存本能とやらがそうさせるのだろう。
じゃあサディストがマゾヒストを求めるのは何故か。
理由は知らない。
ただ、根底にある加虐心が枯渇を訴え、それを発散するだけの玩具を手にしたとき、初めて満足を得るのは確かな事実。
そう、今の俺のように……。
「すげぇ似合ってる」
友恵の首に巻いた赤い首輪は、薄暗い部屋の中でも異様な光を放っていた。
「………………」
立ち尽くしたままの彼女は右手で首元の違和感にそっと触れる。
そして、ちらっと俺の顔色を窺った。
困惑したように瞳を震わせる中で、次に何をするのか知りたがる興味も混在している。
「服、脱いで」
何か言いたげな表情を見せるも、
「ぁ……はい」
と答えて衣服に手をかける友恵。
裸体を見られることに大分慣れてきたはずなのに、改めてじー……っと見詰められると、意識せずとも手の動きがゆっくりとしたものになるのだろう。
まるで焦らすかのようにそろりそろりと脱ぎ捨てていく彼女は、肌の露出度が増す度に、此方に目配せする間隔を短くさせていった。
とうとうショーツに手をかけた友恵は、一糸纏わぬ姿で俺の前に立つ。
「可愛いよ……」
俺は彼女に歩み寄り、軽くキスをした。
「脚開いて」
「は……ぅん、はい……」
陰毛をくすぐりながら言うと、友恵はそっと股を開いた。
「はぅ……ぅぅっ……」
「もう濡れてる」
指先に触れる蜜を指に絡め取っていると、俺の口角は自然と吊り上がっていった。
「なんで?」
濡れた指先を友恵に見せながら
「脱ぐとこ見られたから?」
とか
「首輪を巻いたからかな?」
など問いただすと、友恵は羞恥に震え視線を背ける。
「おいっ」
「は、はいっ……? んぐぐっ!」
苦悶に喘ぐ友恵。
それもそのはず。
彼女の口には濡れた指先が捩じ込まれ、舌を撫でるように蹂躙されているのだから。
何故か彼女は腰の辺りを細かく震わせながら、その仕打ちに耐えていた。
指の根本に涎がまとわりつき、艶やかな光を放つ。
その光はやけに卑猥で、俺をますます興奮させる。
「どう? 始めての、自分の味は」
「はぁ……はっ、あぁ……」
友恵は荒い息を繰り返し、潤ませた瞳で俺を見ていた。
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