●ダーリン2‐4
「ん゙ん゙っ……ゔぅ゙ぅ゙! ……んくふぅ……んんん……」
カルキ臭が口内に広がって、苦味を残したまま喉を下りていく。
「んふぅ……ンっ……」
頬が凹むくらい吸い付いて、根本の方まで何度か唇を滑らせた。
理久に教えてもらったお掃除の仕方……。
「どうした?物欲しそうな顔して」
私、そんな顔してるの……?
「今日から聖月の大好きなケツを弄ってやるよ」
ケツ……?
お尻の……穴……。
甦ってくる記憶の断片……。
忘れもしない、高校2年生の時。
祖父母の家へ帰省していた、あの夏の日……。
私は想いを抑えきれずに、その夜、理久に迫った。
彼が中学2年生の時だ。
私は気持ちを伝えることなく、ただ、初めては好きな人に……という想いだけで理久に跨がっていた。
理久以外の人を好きになるなんて、思いもしてなかったから。
当時は禁断の想いだと思い込んでいた。
私が迫った時、悪戯好きの理久の顔が歪んだのを見て、私は初めて一方的な想いを押し付けているということに気付く。
でも、後戻りはできなかった。
もう理久に会えなくてもいいと思った。
いっそ、嫌われた方が楽になると信じた。
だけど、いざとなるとやっぱり怖くなって……気付けば、お尻に彼が突き立てられていた。
理久が「まともな初めてで」と言ったのは、そういう意味だ。
きっとあの夏の日が、彼の初めてだったんだろう。
でもそれは、お尻の穴という汚らわしいもので奪われてしまったんだ。
あの日に、今日までの道標を残してしまったのはこの私自身。
私はそれを受け入れなきゃいけない。
「嬉しいだろ?」
「…………はい」
理久は眉をひそめる。
気に食わない返答だったらしい。
「来いっ」
言われるままに、私を彼の後ろを這っていった。
「待ってろ」
理久は自室に入り、直ぐに出てきた。
手には注射器を大きくしたものと、手の平に収まるくらいのオレンジ色の物体にゴムのようなものが付いた物が握られている。
「行くぞ」
階段を下りていく理久。
私は不安定なバランスを何と保ちつつ、彼の後ろを這う。
まるで、飼い主に寄り添う犬のように……。
「脱げ」
脱衣所まで連いてきた私に、理久は鋭くいい放つ。
「はぃ……」
背筋の震えを感じながら、私は自らの手で着ぐるみを剥いだ。
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