●ダーリン2‐3
「おはよう」
柔らかな声に夢の世界から呼び戻される。
「……り、理久っ!」
近すぎる顔に私は顔を背けた。
でも彼は直ぐに馬乗りになって、私の唇を強引に奪っていく。
「んっ……んん……」
もう幾度となく繰り返した大人のキス。
舌の絡まる不思議な感触に、私の体は熱くなってしまう。
「昨日は相手してやれなくて悪かったな」
意地悪な笑みを浮かべる理久。
私の手は頭上で一纏めにされ、力強く掴まれた。
「ま、待って……夕月が……」
「今何時だと思ってんの?」
……え?
「真っ昼間だよ」
「ちょっ、いゃ……んん……」
首筋に生温い感触が走る。
「り、理久っ……」
耳に歯を立てられ、若干の痛みが走った。
それは私に自分の立場を教える合図になる。
「御主人、様……」
「なん?」
「その……アレ、なんです……」
「アレ?」
何かわかったんだろう。
ニヤニヤしながら私の耳に吐息を絡ませる。
「アレって何?」
「ぁぁ……せぃ、り……です」
私の言葉を聞いて、彼は私から下りた。
「丁度よかった」
……なんで?
「とりあえず、やれよ」
「ぁ……はい……」
椅子に座った理久の足の間に跪き、下着ごとズボンをずり下げた。
手慣れてきた自分に恥ずかしくなる。
「だ、ダーリン……ダーリン……」
教えられた通りに頬擦りして、理久の顔色を窺っていた。
頬から血流の鼓動まで伝わってくる。
理久曰く、頬擦りとは愛情表現らしい。
ダーリンに頬擦りするのは当然だ、と。
「今日はやけに素直だな?」
「………………」
その声には答えず、ダーリンに舌を這わせた。
舌先からゴツゴツした感触が伝わり、こんなモノを舐めている自分に惨めさを感じる。
でもイヤじゃない。
寧ろ、変な優越感を感じる。
こうしてダーリンを舐めている私を、満足そうに見詰める理久。
その視線に視線で応えて、私は胸を焦がしてる。
裏側から傘の縁みたいな所に舌先を潜らせたときの理久の顔が、私を嬉しくさせる。
でも、拭いきれない背徳感がチリチリと燻っていた。
「んぐぐぐっ……んんっ……」
ダーリンを口内に導き、唇を密着させる。
歯を当てないようにすると顎が外れそうだけど、頭に置かれた理久の手が私を頑張らせる。
あとで鷲掴みされて頭を揺すられると知りながらも、私は子供のように舞い上がって頑張ろうと思ってしまうんだ。
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