●ダーリン1‐5
夕月っ……こんな時にっ……!
「どうする?」
そう言って私の首を激しく振る理久。
「ん゙っ、ん゙む゙む゙ぅぅ!」
ああぁ……喉の奥に何かが当たってる……
熱いし、臭いし……夥しい量の何かがぁ、ぁぁっ……。
吐き出したいのに吐き出せない。
苦悶に喘ぐ私の声も、ノックの音で我慢を強いられた。
「理久ー? 起きてるー?」
「なんー?」
ちょっ……まだ、まだ出て……
「お姉ちゃん知らない?」
ドアを閉めたまま会話を進める二人。
私は息を潜めたまま、ドロドロの口の中のものを呑み込まないようにしていた。
「飲めよ」
面白がる理久は小さな声で、でもしっかりと呟いた。
私はソレをくわえたまま首を横に振った。
「お前がどこにいるか教えてもいいんだぜ?」
それは……それだけは……。
「んっく、んん……んく……」
喉を下りていく気持ちの悪い液体。
喉の何処かに引っ掛かったような違和感が後に残る。
この不思議な刺激臭からくる嗚咽を堪えつつも、頭が浮くような感覚を覚えた。
「さぁ? 知らねっ」
「そっか……メールしとくしかないっ、か……」
ブツブツと呟く声が遠退いていく。
その後、軽快に階段を下りていく音が耳に届いた。
「んっ、はぁ……はぁ……ぅぇっ……」
口の中のモノが出ていき、私は息苦しさ解放された。
でも、それと引き換えに屈辱と自責の念が胸に溢れてくる。
「おめでとうっ」
さも褒め称えるかのように手を打つ理久。
人をおちょくるような顔をして。
「も……いいでしょ……」
口内に残る青臭さが不快な気分を煽った。
「ご褒美をあげような、聖月」
……ご褒美?
怪訝に思いつつも、理久の方に目を向けた。
彼は机の引き出しから……え?
「な、なに……それ……?」
「ん? バイブレーター」
バイブ……レーター……?
「今日バイトなかったよな?」
悪戯に笑う理久の顔が悪魔に見えた。
「うっ、うそ? ぃゃっ。いゃぁっ……」
夕月を思うと大きな声が出せない。
それをいいことに、彼は力任せに私の着ぐるみを剥いでいく。
「俺さ、オリエンテーションあるから」
「ぁっ……あぁぁっ、ぁぁっ……」
中に……中にぃっ……。
「まだ始まったばっかだぜ?」
ショーツだけ吐かせる理久。
「ぁぁっ! ぐぅんんん!」
次の瞬間、蠢き始めた玩具の刺激に私はシーツを噛み締めていた。
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