●ダーリン1‐4
だんだん息が苦しくなってきた。
結んだ唇の境目に、今か今かと待ち構えるオトコがいる。
今後の展開は何となくわかってる。
それならいっそ、このまま……
「ほらほら。死ぬぞ?」
そう言いながらほくそ笑む理久。
息苦しさに足をばたつかせる私の鼻を更に捻りあげる。
あぁ……もう、意識が……
「んぐぐぐっ!」
生存本能に理性は敵わなかった。
吸い込んだ息と一緒に異物が口内を埋め尽くし、私はまた息苦しくなっていた。
ソレは喉の奥まで到達しても、更に奥へと向かおうとする。
私は無意識の内にその異物を外へ追い出そうとしていた。
「何だよ、そんな激しく動かして」
嬉々として私を見下ろしながら、理久は頭を掴む手に力を入れた。
口の中の凶器は押し出されるどころか、グイグイと上顎を跳ね上げる。
「ん゙ん゙っ! ん゙ん゙っ! んぐぐぅぅぅ!」
吐き気が意識を朦朧とさせる。
まるで物のように私の頭を振り、喉が突かれる度に自然と叫んでいた。
「聖月っ! こっち見ろ」
「んむ゙っ! んぐぐっ!」
揺れ動く視界の先に、私を見下ろす理久の顔がある。
彼は口角の一端を歪め、私に言い放った。
「『ごめんなさい』は?」
と。
冷たい瞳で、私を蔑みながらその言葉を強要する。
「ん゙ぐっん゙んぅっ!」
何でもいい。
はやくコイツから解放されたい。
口の中が熱を持ち、唾液の何とも言えない臭いが鼻孔にこびりついてくる。
口の端から涎を垂らし、私は惨めさにうちひしがれていた。
「もっと」
「ん゙っ……んぐぅむ゙ん゙ぅ!」
満足そうに目を細める理久は、なおも首を揺すりたてる。
先の方が微動を繰り返し、あれだけ大きかったモノは更に膨れ上がってく。
「起きたみたいだぞ?」
「ん゙ん゙っ?! んぐぅぅっ!」
理久の言葉に、私は焦りを覚えた。
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